ついに事故を起こしてしまう


 無事故・無違反をけっこう長く続けていたのであるが、先日とうとうやってしまった。吹雪の中を走行中にシカと衝突してしまったのである。
 路面には7,8cmの積雪があり、ドカドカ雪が盛大に降りしきるまだ真っ暗な早朝だったため発見が遅れた。気づいたときにはすでに、メスジカの顔が車体正面右からこっちへ向いてせまっており、次の瞬間には車正面にぶつかっていた。シカの体は車体右側面方向へ回転し、さらに車体にぶつかり雪の上を2メートルほどスライディングのように滑っていった。

 ぶつかる時にはハンドル操作をしなかったためガードレールなどにはぶつからず、そのまま減速して車を左へ寄せて停車させ、すぐにハザードランプを点灯。運転席のドアを開けようとしたら、半分くらいのところで「バキバキ」と音がしてえらく抵抗があった。車体右側に損傷があるためである。そのまま車を降りてシカとぶつかった場所を見ると、すでにシカは走り去っており姿が見えず。車の確認をすると、ヘッドライトなどの灯火類には破損もヒビも見られず。ボンネット真ん中とボディの右側の変形のみであった。エンジン内部を見ても、見た目にはラジエータだけが損傷を受けているようだが、走行には支障はないような状態。
 3分ほどで状況確認が終わったが、少し離れたところからシカの鳴き声が聞こえた。おそらく衝突したメスジカの子供ではないかと思われた。なんともやりきれない気分になったのである。


 後で知ったのであるが、本来ならその場で警察(最寄りの所轄警察署か110番)に電話をして現場検証をしてもらう必要があるようだ。しかし、相手がシカであることと、そのシカがすでにどこかへ行ってしまったことから警察へ連絡せずにそのまま自宅へ向かってしまった。ドカ雪のなか、もしエンジンが止まったりしたらたいへんだと思ったからである。テントや寝袋、1日分の食料と登山用コンロは車に積んでいた(冬場は常にそうしている)。だから道路脇にテントを張り、雪を溶かしてお湯を沸かし、あったかい食事をしながら警察の到着を待ってもよかったのであるが、そんなことをしていたら警察官がカンカンに怒っていたであろう。

 とりあえず無事に自宅に帰り、すぐに衝突現場の所轄警察署へ電話をした。「現場から連絡してもらわないと・・・」と相手の警官は言っていたが、結局事故処理(状況説明と車の撮影会)は自宅の所轄警察署でやってもらった。


 話が前後するが、警察の前に保険会社へ連絡を入れていた。まずはお決まりの「お体は大丈夫ですか」と聞かれる。むしろシカの体のほうを心配するくらいこちらはノーダメージである。車の損傷具合を説明し、警察への連絡はした方がいいか聞いたところ、連絡することをおすすめしますと言われた。


 事故当日はディーラーが定休日だったので翌日にディーラーへ連絡。滋賀県ではシカなど野生動物との事故は少なくないので、そう驚かれることもなく各処理をスムーズにしてもらえた。
 車両保険をかけていたので修理代は全額保険から出してもらえることに。ただ、修理が完了するのは来年に入ってからとのことなので、雪の白川郷夜景写真撮影は今年中に行うことは困難となってしまったのである。


今日の動画
  Sarah Vaughan - Lullaby of Birdland
   https://www.youtube.com/watch?v=x8cFdZyWOOs