ターボ車(MT)での雪道走行


 今年の滋賀県では断続的に寒波がやってくるものの、トータルでは積雪も少なかった。そのため雪道を走る練習もそれほど回数をこなせなかったのである。練習というと変に思われるかもしれないが、さまざまな路面状況のときに走っておくことは絶対に必要である。積雪のない状態からだんだん積もっていく場合や、新雪がそこそこ積もっている状態。圧雪が凍結した状態や、まだらに残った雪と水が凍結した状態まで、それぞれの状況でタイヤのグリップも車の挙動も違ってくる。ある特定の状況を走っただけで過剰な自信を持ってしまうことは、別の状況下での事故に結びつきやすいのである。


■ターボ車では低いギア
 雪道の走り方が書かれてある手持ちの書籍を読むと、坂の上りや加速する場合などは高めのギアを選択するように書かれている。NA(自然吸気)エンジンの車であればそれでいいのであるが、ターボ車の場合は話が違ってくる。
 先日も雪がどんどん積もっていく状況で早朝の峠道を走りにいったのであるが、コーナー後半からの加速で急激にリアが滑ることが頻繁に起きた(ちなみに4WDモードではなく、2WDモードで走行)。最初は理由がわからなかったのであるが、ひとつ上のギア(3速)で走っていることが原因だと気づいた。高めのギア・低いエンジン回転数からアクセルを踏むと、丁寧に操作したとしてもターボのブーストがかかって急激にトルクが上昇する。コーナーでは外側に向かってタイヤがふんばっているため、急激にトルクがかかると簡単にリアが滑り出すのである。


 そこでギアを1段落として同じようなRのコーナーを2速で走るようにした。そうすると同じ速度で進入していればエンジン回転数は高くなる。しかし、その高い回転数からアクセルを踏んでもブーストが即座にかかることがないためトルクの上昇もアクセル操作に比例したものとなる。仮にその状態でリアが滑り出しても軽くカウンターステアを当てつつアクセル開度を調整することでスムーズに走ることができるのである。


 ただし、今回走った路面は圧雪路に次いで走りやすい状況であった。これより前にまだらに凍結した路面状況のとき走ったときは、つねに修正舵を当てないとまっすぐ走ることさえできない状態だった。やはりいろいろなシチュエーションで実際に走り、経験値を上げていくことが必要であろう。


 右側にあるOBD2データを見ると3速になっている。少し見づらいが、画面最上部にあるエンジン回転数バーの下にあるブーストバーが何目盛りか上がってきているのがわかる。このときに急激なトルク上昇が起きてリアが急に流れた。



 このキャプチャでは2速で走行している。タコメーターを見るとこちらの方がエンジン回転数が高い。同じくリアは流れているのであるが、挙動はゆるやかであり十分コントロールできる程度の滑りで収まっている状態。


今日の動画
  Europe - More Than Meets The Eye
   https://www.youtube.com/watch?v=t3tSUGpfT-8