相模原の障害者施設での殺傷事件


 容疑者の動機など明らかになりつつあるが、今回の事件が防止可能だったかについて考えてみたい。
 衆議院議長公邸前で具体的な「作戦」内容が書かれた手紙を渡した件であるが、手紙の内容を確認した衆議院事務局が警察へ通報して、手紙を提出したところまではそれほど間違った対応はしていないと思われる。問題はその先の警察の対応で、非常に具体的な内容の手紙であったにもかかわらず、優先して対処していなかったことは大問題といえるだろう。容疑者が過去に措置入院をしていることや、大麻の陽性反応があったことなども調べればすぐにわかったはずである。数百人もの人間を殺害することを予告している手紙に対して、あまりにもなおざりな処置ではないかと思う。

 今回の犯行が突如として実行されたのであれば防ぐことはほぼ不可能であっただろう。しかし、犯行が実行させるまでの一連の流れを見ると、どこかでストップさせることは十分可能だったのではないか。職員に対して危害を加えないと手紙に書いていたとおりに容疑者は犯行を進めている。凶器などの準備や侵入の手口などを見てもきわめて計画的だ(秩序型反社会的殺人者の典型例)。このような犯行がいったん実行段階にまで至ってしまうと、今回のような大きな被害に至ることは避けられないであろう。実行に至るまでに阻止することが重要なのである。


 障害を持っているが故に逃げることもできず亡くなられたかたに心から冥福を祈りたい。障害を持っていることは本人には何の落ち度もないにもかかわらず、この容疑者のような考えを持つというのはまさにナチスそのものではないかという怒りを禁じ得ない。


今日の動画
  【日本語訳】 スレイヤー Slayer - Angel of Death (Japanese sub)
   https://youtu.be/CP7WErhtjWk
 何度かこの動画を紹介しているが、この歌はナチスを礼賛するものではない(動画の説明を読むとよく分かる)。
 ちなみにナチスドイツが戦争に負けて、連合軍が絶滅収容所の状況を確認した際、あまりの悲惨さに米国のルーズヴェルト大統領はあることを実行させた。ドイツ市民に収容所の惨状を強制的に見させたのだ。市民たちは収容所内でなにが行われていたか直接見たことはなかったが、ユダヤ人や障害者がそこで皆殺しにされていたことは認識していたのである。