日本の行政機関は、とても「高信頼性」とは言えない

 HP200LXに蓄積しているメモを調べる場合、たいていはVzエディタの検索機能を使うわけですが、ついでにその前後にあるメモを読み返すことがあります。そのように読み返したメモのなかからちょっとご紹介。


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2003/11/03(07:36:32)[題]:不確実性のマネジメント 高信頼性組織

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1.マネジャーの強い安全意識、危険への配慮と懸念の共有、および危険が従業員に及ぼす影響に対する気遣い、危険に関する現実的かつ弾力的規範と規則、監視・分析・フィードバックの仕組みを活用した不断の検討
不確実性のマネジメント p178

2.HROが不測の事態をコントロールできるのは、徴候を幅広く収集し、それらを組み合わせることで、正常なパターンにそぐわない箇所を察知しているからだ。逸脱した徴候が見つかると、問題が拡大しつつあることを示唆する予兆と見なす。

不確実性のマネジメント p179

3.不測の事態のマネジメントとは、予想される事柄と予想していなかった事柄の両方に注意を払うということだ。それはまた、そのどちらにも属さない事柄にも目を向けることでもある。これを、「何一つ見逃してはならない」という意味と取っていただいてもよいだろう。そして、これこそHROがつねに念頭に置き、近づこうとしている理想なのだ。
p183

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※このメモは蓑系メモフォーマットの一種である「奈美」形式で記録してあります。


HROとは「高信頼性組織」のことで、救急医療センター・航空管制システム・航空母艦原子力発電所石油化学プラントなどのように、常に高い信頼性を保つ必要があり、かつ実際にそれを保っている組織をさします。
これらの組織を研究し、その長所を取り入れることはあらゆる組織にとって有用であると思います。逆に言うと、高信頼性組織の特徴を持たない組織というのはそれだけ信頼性が劣るとも言えます。

上記の抜粋メモを読むと、4月から始まった新型インフルエンザに対する政府・行政の対応が、高信頼性組織の行動原則からいかに外れたものかがわかります。
いったいどこまで「低信頼性組織」として国民を危機にさらし続けていくのかわかりませんが、そんなお国の犠牲にならないように個人個人が「ひとり高信頼性組織」になるようにしていくしかないでありましょう。

●参照書籍

不確実性のマネジメント―危機を事前に防ぐマインドとシステムを構築する (ミシガン大学ビジネス・スクール)
不確実性のマネジメント―危機を事前に防ぐマインドとシステムを構築する (ミシガン大学ビジネス・スクール)Karl E. Weick

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今日の動画
  ●Scorpions Big City Nights  http://www.youtube.com/watch?v=N6AH0fxcMPY
 このバージョンでは、ボーカルが元ジェネシスのレイ・ウィルソン。伴奏で聞こえるオーケストラはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

  ●SCORPIONS [ BIG CITY NIGHTS ] STUDIO REHEARSALS  http://www.youtube.com/watch?v=ylmNOfMzSFs&feature=related
 ちなみにこっちはスタジオレコーディングのリハーサルバージョン。