「静寂の叫び」ジェフリー・ディーバー
静寂の叫び〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫) | |
Jeffery Deaver 飛田野 裕子 早川書房 2000-02 売り上げランキング : 128423 おすすめ平均 再読に次ぐ再読 死の声を聞きながら 読み終わるのがもったいないくらいの最高傑作! Amazonで詳しく見る by G-Tools |
購入後10年ちかく放置していたのを先日読み始め、今日ようやく読み終わりました。
大きなテーマは「人質救出のための交渉」と「ろう者の世界」の二つ。このふたつをこれほど見事に絡めて話を展開させていくとは、最初の数十ページを読んだ時点では思いもよらなかったです(この思い込みが10年ちかく放置してしまった理由)
■時系列な記録の重要性
小説の中でFBIの危機管理チームが登場するのですが、そのなかで情報を時系列に記録していく描写がたびたび登場します。パソコンに「時刻 起こったこと」をひたすら入力していくわけです。また、交渉担当者が考えたことなども同じく入力係が入力していきます。実際の現場でどのようなソフトウェアを使っているのかまでは分かりませんが、このような記録は下手に分類せず、淡々と時系列に記録することが肝要だと思います。
■確実性が必要とされる場合は「アナログ」
立てこもり犯と交渉を進めていく過程で犯人に嘘をつく場合があるわけですが、犯人に言ったことがそれぞれ「真実」か「嘘」なのかは常に見えるところに確実に表示されていなければなりません。このような情報は紙に手書きしています。当然パソコン側にも同じ情報を時系列で記録していきます。
■今日の動画
●SAS Special Air Service http://www.youtube.com/watch?v=Z8tQLr2C3Fg
イギリスの特殊部隊SASには対テロチームがあるのですが、原則としては政治がらみの人質事件にしか投入されないようです。
もう何年も前に発生したハイジャック事件では、ハイジャックされた航空機が着陸した空港に待機するSAS隊員の後ろ姿がニュースで放映されてました(数人が並んでましたが、あまりに寒いのかみんな足踏みしてました)。ちなみにこのハイジャック事件では交渉人の説得で犯人は投降。たしかパウンドケーキの作り方について交渉人と犯人が何時間も話し込んで信頼関係を結び、解決にいたったはずです。