メモの蓄積
■アナログとデジタル
メモを取るにあたって、のちにそれを活用することを考慮する必要があります。どれほど多量にメモを取っても、必要なときに特定のメモを探し出し、活用できなければ何の意味もありません。その一方、最近取ったメモを頻繁に読み返して、新たな情報を書き加えたり、関連のあるメモと連携させたり、不要と判断したら廃棄することも必要です。
つまり、
1)最近取ったメモだけを読み返すことができる
2)いつ記録したメモであっても、迅速に探し出せる
以上が可能なシステムが必要となるわけです。
アナログメモの場合、バインダータイプの手帳(私の場合はシステムダイアリー=SD)にメモをして、一定期間はそのメモをバインダーにとじたままで頻繁に読み返すようにします。テキストのみで残せる内容ならデジタル媒体に入力し直して手書きのメモは破棄します。手書きの図解を含む場合は、SDのファイリングシステムへと移行させます。このときは、へたに分類をせずに時系列にファイリングしておき、デジタルのメモにSDメモの内容と日付を入力します。のちにSDメモを探し出す場合は、デジタル側で検索をかけて、ヒットしたのちに日付をもとにSDのオリジナルメモを探せばいいわけです。これによって、アナログとデジタルを統合することができます。
■デジタルメモ
前記の通り、検索をかける場合はデジタルによる記録が欠かせません。手書きの図解やイラストなどが必要なければ、直接デジタルデータに記録するほうが迅速で、後の手間もかかりません。
では、デジタルで記録する場合にどのような形式がいいのでしょうか?その条件として私が考えるのは、
1)OSや端末に依存しない(汎用性が高い)
2)数十年後も読み書きが可能
となります。これらを満たすのはずばり「プレーンテキスト」となります。入れ物は単なるテキストファイルにして、形式は必要に応じて整えるようにします。
以下、具体的な例をキャプチャ画像を交えて解説します。
■VZエディタによるメモ
純粋にテキストデータを記録するだけであれば、特に端末やソフトにこだわる必要はありません。
1)迅速に起動する
2)入力速度が速い
3)入力後にすぐに端末をしまえる
アナログメモに匹敵するレベルまで上記3つを満たせればいいわけです。
これらを満たすシステムとして私が使っているのが「HP200LX+VZエディタ+ATOK8」です。
VZエディタには強力なマクロ機能があり、メモを蓄積するためのマクロもいろいろと作られています。
私が使っているメモ用マクロは2つあり、状況に応じて使い分けています(本来なら使い分けをしないほうがいいのかもしれませんが・・)
■CLIP3
このマクロでメモを取る場合、任意のテキストファイルを開いた状態で、まず「@」を入力します。それに続いてそのままメモの内容を入力します。入力が終わったらこのマクロを起動。すると、あらかじめ指定している、メモ専用のテキストファイルに今記録したメモが「カットアンドペースト」されます。その際、日付と時刻も自動入力されます。最初にメモを書き込んだファイルは、「@」以降のメモ内容はきれいになくなっていますので、そのまま編集作業を進められます。
とりあえず記録しておきたいことや、覚え書きのような内容は、このマクロを使うのがもっとも速いです。
検索用のマクロも用意されており、記録後の編集や削除も簡単です。
CLIP3にペーストされたメモ
■奈美
このマクロは、のちにメモの内容を編集するような場合に主に使います。スピードよりも、後の編集作業や閲覧を重視する場合に使用します。
奈美で記録したメモ
奈美で記録したメモタイトルを一覧表示したもの
上記のマクロで記録したメモは純粋なテキストファイルですので、OSなどには依存しません。特別なソフトをインストールすることなく読み書きできます。ただし、マクロそのものの利用にはVZエディタが必要なので、Windows98までのPCのように、少し古い端末が必要です。迅速な起動とサスペンドが行えるのは一部のDOSマシンのみになりますので、さらに選択肢は狭まります。それでも、一度環境を構築してしまえば、デジタルメモの蓄積には最適と考えています。機会があればぜひ試してください。