極大射程 上・下(新潮文庫)

 スティーヴン・ハンターの作品は、これが初めてでした。以前から気にはなっていたのですが「アンディ・マクナブほどのことはないやろな」と、食わず嫌いで実際に手に取ることはなかったのです。
確かに、アンディ・マクナブ作品における、戦術・戦闘シーンのディテールは圧倒的なものがあります。しかし、小説の価値はディテールだけではなく、プロットも非常に重要であることを「極大射程」によって思い知らされました(「狙撃」に関するディテールはマクナブの作品を上回っています)
ほんとの最後まで、「いったいどうなるんや!」と手に汗を握る展開。そして、主人公「ボブ・リー・スワガー」のかっこ良さ。兵士としての狙撃手が、単に射撃のエキスパートというだけでは務まらないことが、この作品を読むとよくわかります。
ゴッドファーザーと並んで、私にとってのバイブルにしたいと思います。

極大射程〈上巻〉
極大射程〈上巻〉スティーヴン ハンター Stephen Hunter 佐藤 和彦

新潮社 1998-12
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