大雪に備えた車載道具
今回の大雪によって、鳥取を含めて通行不可能による車の立ち往生が発生した。以前も書いたことがあるが、今回は車載道具の詳細を書きたい。
(1)食料
車の中は食料を長期間おいておくのには適さないが、乾燥した食材であれば短期間なら積んでおいて支障はないであろう。そこで、フリーズドライの登山用食料を3日分積んでいる。
それとは別に、ある程度の距離を走る場合にはバナナやゼリー飲料、ようかんやかりんとうなどのカロリーの高い食料を都度バッグに入れて持って行く。また、水分も最低1リットルを同じくバッグに入れておく。渋滞や立ち往生に巻き込まれる可能性があるような天候になれば、調達可能なうちにコンビニなどで追加購入しておくことも必要だろう。
また、登山用のガスストーブと燃料、お湯を沸かすためのチタン製カップ(400ml)もバッグに入れて持ち込んでいる。大雪での停滞であれば周りには大量に雪があるのだから、雪を溶かすだけの燃料があれば水は調達できるからである。
(2)トイレ
用を足すための簡易トイレも数回分を積んである。また、いざというときのため空のペットボトルも数本用意してある。
(3)保温
行き先によって、最低気温が何度まで下がりうるかをあらかじめ調べておく。最も気温が低い地域・時間帯にあわせて装備を考えておく必要がある。
冬に車で出かける場合は少し多めに着込んでおき、乗車するときにアウタージャケットやダウンジャケットのようなかさばるものを脱ぐようにする。
万一立ち往生のため車内で待機することになった場合に備え、エンジンを停止することを前提に防寒具を用意。常時車載しているものは、
・ダウンジャケット
・厚手の靴下
・フリース毛布
・寝袋2つ(比較的安い化学繊維中綿のものと、冬期登山用ダウン製中綿のもの)
・ジッポー ハンディーウォーマー(オイルカイロ)とライター
・ワッチキャップ(保温性の高いもの)
・マスク
・防寒グローブ
・マット(サーマレスト)
すべての衣服を着込んでから上記のものを全部使用した場合、マイナス10度まではなんとか耐えられる。車の燃料が十分あれば、定期的に短時間だけエンジンをかけてヒーターを利用する。エンジン始動前にはマフラーが雪でふさがっていないかを必ず確認する必要がある。
また、定期的に食料を摂取してカロリーをとるようにする。カロリーをとっていれば低体温症にもなりにくい。
(4)除雪用具
・ポリカーボネート製スコップ
・防寒防水グローブ
・雪落しブラシ
・ゴーグル
・カッパメイト(雨合羽)
・長靴
・小型ナイロンほうき(またはナイロンブラシ)
・長靴用トレイ
・ヘッドランプ(および予備の乾電池)
長時間の停滞では、定期的に車の周りを雪かきする必要が出てくる。吹雪になっている可能性もあるため、ゴーグルも必要。
除雪作業後は道具一式を車内に入れることになるため、長靴の雪を落とすのに、小型ほうき・ブラシが必要になる。
(5)その他
登山靴、スパッツ、スノーシュー、ストック2本。これらは純粋に登山用具である。しかし、膝くらいまでの雪ならともかく、それ以上に積もっている場合にはスノーシューがなければ移動が困難となる。
上記はあくまで大雪での停滞を前提とした装備。上記以外にも常時車載しておくべきものはある。バッテリ上がりに備えてジャンプスターターは必須。周りに他の車がいない場合は生命線となりうる。
タイヤに空気を入れるための小型コンプレッサも常時2つ積んである。
総合的に判断すると、冬山登山向け装備がもっとも有効な備えとなりそうだ。車そのものはシェルターとして使用できるが、万一車内にとどまることができない状況が発生すれば、テントも必要になるかもしれない。しかし際限なく荷物が積めるわけではないので、必要なものが欠けることのないように選択していくべきだろう。
■今日の動画
How to build a quinzhee
https://www.youtube.com/watch?v=Vdo840i922o