「泣き虫しょったんの奇跡 完全版 」(講談社文庫)


 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


 さて、将棋の本(いわゆる棋書)も何冊か読み終わり、ブランク中にすっかり抜け落ちてしまった手筋や定跡などの復習も順調に進めている。将棋をやらない人にとってはつまらない話になるので詳細は今書かないが、将棋をまったく知らない人にもおすすめしたい本について書きたい。


泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ> (講談社文庫)
泣き虫しょったんの奇跡 完全版<サラリーマンから将棋のプロへ> (講談社文庫)瀬川 晶司

講談社 2010-02-13
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 タイトルの「しょったん」とは瀬川晶司五段のことである。年齢制限のため奨励会を26歳で退会したのち、日本将棋連盟へ嘆願書を出してこれまでに無かった編入試験に35歳で合格することによってプロになった。
 奨励会を経由しないテストでプロになったのは瀬川棋士の前には花村元司棋士(故人)がいる。また、真剣師として知られる(普通の人は知らないが)小池重明(故人)もプロ入りの話があった。しかし小池氏の破滅的な私生活が問題とされ話は立ち消えとなった。ちなみに「聖の青春」の中に小池重明が登場している。


 話がそれたが、瀬川棋士の本である。少年時代からプロになるまでの経験や内面的な成長の過程が実にうまく表現されており、教養小説として高く評価できると思う。大人はもちろん、中学生くらいの若い人にも是非読んでもらいたい本である。


今日の動画
  Evanescence - My Immortal
   https://www.youtube.com/watch?v=5anLPw0Efmo