加藤一二三九段が引退


 終局直前の中継を見ていたが、即詰みの段階で何度か席を立つ姿を見ると胸に迫るものがあった。投了直前に感想戦(終局後に対局者同士が検討すること)を今日は行わないことを記者に伝え、投了後はすぐに退室してタクシーで帰って行かれたようだ。今後もメディアでの露出は変わらず(むしろ多くなる予定らしい)続くだろうが、現役棋士でなくなるというのはプロ棋士にとってたいへん大きな節目であろう。なにはともあれお疲れ様でしたと言いたい。


 森けい二九段に続いて加藤一二三九段も引退となった現在、最年長現役棋士は69歳の桐山清澄九段となった。4月に放送されたNHK杯将棋トーナメントで対局する姿をひさびさに拝見したが、誇張抜きで涙が出そうになった。
 桐山先生のお弟子さんに矢倉規広七段がいるが、私が関西将棋会館の道場に通っていたころにまだ小学生だった矢倉七段がいた。私がアマ1級のときに矢倉七段はアマ4段か5段くらいだったので、力の差がありすぎるため一度も対局したことはなかったのである。結局私はアマ初段に上がることなく将棋をやめたが、矢倉七段は直後に奨励会入りしていた。 桐山門下には非公式戦で藤井聡太四段に完勝している豊島将之八段がいるが、矢倉七段とともに一門を盛り立てて欲しい。


今日の動画
  【将棋】加藤一二三九段、引退決定の瞬間【ひふみん】
   https://www.youtube.com/watch?v=IbYukYPrXFA