NHKスペシャル 未解決事件「尼崎殺人死体遺棄事件」


●再放送 6月13日(木)午前0時40分〜2時09分


 以前、北九州連続監禁殺人事件との類似について書いたことがありました。今回尼崎の事件に関するこの番組を見て、北九州の事件と同じく警察のあまりのやる気のなさに怒りがこみ上げてきました。
 北九州の事件でも警察が動かなかったことにより被害が拡大しました。監禁される側が報復を恐れるあまり、真実を警察に伝えなかったということもあったわけですが、もうひとつの理由として自分も犯罪に関わってしまったという意識を植え付けられていたことがあげられます。尼崎の事件でも同じ理由で被害者が被害届を出さなかったため被害が拡大しています。監禁される側の心理状態など、もっと学問的につっこんだ考察がなされないと結局このような事件に適切な対処がとられず、同じような事件が繰り返されるのではないかと懸念されます。



 北九州・尼崎それぞれの事件を見て思い出すのがスタンフォード大学で行われた監獄実験です。


 ●スタンフォード監獄実験
  http://goo.gl/d0h3

 ●情況の囚人 ― 1971年”スタンフォード監獄実験”とは
  http://x51.org/x/06/04/2439.php


 心理学実験のなかではアイヒマン実験と並んで悪名高いものですが、人間が良くも悪くもあっけなく環境に「適応」してしまう動物であることをよく示しています。
 上記ウィキペディアの中では述べられていませんが、囚人側はセロトニンの分泌が多くなり、看守側はテストステロンの分泌が多くなったことが判明しているようです。

 監獄へ収監することは、法の執行という名の下に行われる監禁行為に他ならないわけですが、その監禁行為が違法に行われていた場合はそこに何のブレーキも存在しません。そして死に至るまで暴走してしまうことも当然考えられるのです。弱みにつけこまれて監禁される状態になってしまった場合、そこから脱するためにはどうしても周りの助けが必要になります。そのときに有効に機能するシステムを法的に整えていくことが早急に必要ではないかと強く思います。


今日の動画
  Player - Solid State Society OST
   http://www.youtube.com/watch?v=AIbzZPePNKg