スペースペンは使えるようになったのか

 フィッシャーのスペースペン。アポロ計画スペースシャトルなどのような宇宙計画でも採用された、無重力状態でも書くことができるという画期的なボールペン。しかーし!その能書きに惚れ込んで十数年前に大枚はたいて買ったのに、実際にはダマができまくり、筆記後にノートを閉じるとそのダマがつぶれてしまい、次に開いたときにはいきなりロールシャッハテスト開始の状態になりました。
「不良品なん?それともこのペンは宇宙でしか使えへんの?」と真剣に悩みました。その後、さすらいの野宿ライダー(もしくはただのきたないおっさん)寺崎勉氏の「バイクキャンピング」の中で、私の経験とまったく同じ記述を見つけました。「あー、スペースペンはこんなもんなんやなあ」と納得。再び使おうとすることはなくなりました。
 先日の山行で、どのような状況でもメモをとり続けることを目標にし、紙のほうは防水の測量野帳を採用。筆記のほうは普通の油性ボールペンを持参しました。途中で雨には遭いましたが、油性ボールペンが書けなくなるような土砂降りでもなかったので、まったく問題はありませんでした。しかし、次の時はどうなるか分かりません。何とか土砂降りの中でもメモをとり続けることのできるペンを探そうとしますが、真っ先に検索で出てくるのはスペースペンです。「あんたはもうええねん!こりてるねん!」と次を探し続けたところ、三菱からいいのが出てるではありませんか。
■三菱uni パワータンク
三菱鉛筆(みつびしえんぴつ)パワータンクスタンダード細字0.7ミリ
 スペースペンは窒素を封入して、その圧力でインクを出しているそうですが、パワータンクは3000hPaの圧縮空気だそうです。何件も文房具店をはしごして見つからず、本日ようやくスーパーの文房具売り場で見つけました。しかもチラシの特売価格でしたので、あるだけ3本を購入。
帰宅後に早速防水メモ用紙を1枚ちぎり、水道の蛇口から水を流して、そこにメモ用紙とパワータンクをつっこんで筆記テストをしました。結果は普通に筆記ができました。インクがかすれたり、にじんだりすることもありません。ただただ普通に書けたのです。能書きでは、「氷点下(約ー20℃)でも、無重力でも書ける」とあります。スペック的にはフィッシャーのスペースペン並みです。あとは長期的なテストと、高温多湿な環境でのテストですが、風呂場で使用してみるなどおいおいテストを行うつもりです。それで問題無ければ、10年分は買いだめしておかねばなりません。なぜなら、このマニアックな仕様は一般ユーザーには受け入れられず、販売不振の上製造中止になる可能性が大だからです。

●参考書籍

イラスト図解 バイクキャンピング
イラスト図解 バイクキャンピング寺崎 勉

山海堂 1994-08
売り上げランキング : 195877

おすすめ平均 star
star実践的

Amazonで詳しく見る
by G-Tools