夜間行軍 フラッシュライトフィールドテスト

 今日は夕方から箕面(みのお)の山へと出かけ、夜間行軍を行いました。
今回の行軍は、先日購入した新しいザックのフィールドテストも兼ねているため、テント・シュラフ・マットなど、テント山行のフル装備で行いました。
メインの目的である、フラッシュライトのテストですが、「FoxFury Performance OutDoor UPGRADE」を使用。ヘッドライトタイプです。
 夜間行軍で使用するフラッシュライトの条件として、
 ・頭に装着できる(両手をフリーにできる)
 ・照射範囲が広い
 ・一定レベル以上の明るさがある
 ・上下の角度調整ができる
以上4点が絶対条件となります。
 今回使用したヘッドライトは、上記の条件をすべて満たしています。LEDの宿命である、照射距離についてはそれほど遠くまで届きませんが、8mくらいまではなんとか視認できますし、5mまでなら日中の歩行と同じスピードで歩けるくらいに路面状態が確認できます。
 また、このライトの特徴として、左右方向への照射範囲が広いことが挙げられます。登山道は比較的狭い上、場所によっては、すこしでも道をはずれると、そのまま谷へと転落してしまうようなこともあります。そのような状況では、まっすぐ前を見た状態でも、左右方向の周辺視野部分まで照射されていることは、首を左右に振る必要がないのでとても歩きやすいです。
 上下の角度調整ができることは、登山においては必須です。登りがあったと思えば今度は急な下りなど、照らすべき方向が頻繁に変化するためです。角度調整機能が無い場合、首を上下に動かすことで照らす場所を変える必要がありますが、急な下りなどではとても対応できません。無理に首を曲げることでバランスを崩し、転倒などの事故につながりかねないのです。


■結論
 夜間に山を歩くというのは、本来すすんでやるべきことではありません。思わぬトラブルで下山の時刻が遅れ、ルートが完全に掌握できている場合などは暗闇のなかでもライトを使用しての歩行はOKでしょう。しかし、ルートが分からない状態になっている場合で、それ以上歩くことが危険を伴う場合などは、適当なところでビバークするほうがいいです。もちろんその場合はツェルト(簡易テント)などの装備を持っているほうが、より快適なビバークが可能です(ツェルトを持たずに山に入ることがそもそも論外なことですが・・)
 登山用品店などで売られているヘッドライトは、かなり小型のものが多いです。電池は寒さの影響を受けにくいリチウム電池を使用するタイプが一般的です。使用頻度や装備の軽量化、冬期での使用など、総合的に考えるとそのような小型のものが最適なのかもしれません。しかし、夜間に歩くことが決まっているような場合などは、「FoxFury」のヘッドライトは現時点で最高の製品であると言えるでしょう。


■今日のトラブル
 今日はもともと、山中には明るいうちに到着し、早めの晩ご飯を山中で食べてから、下山でライトのテストをするつもりでした。しかし、午後にうとうと眠ってしまい、出発が予定より2時間以上遅れることに。ばたばたと準備をすませて家を出たので、箕面の滝に到着するころにはすっかり暗くなっていました。箕面駅から滝までの遊歩道と、そのさらに上にあるドライブウェイの駐車場までは外灯もあり、ライトなしでも歩けます。しかし、駐車場から先は外灯が無いので真っ暗です。
 さて、トラブルは下りの途中で発生しました。下界まではふつうのペースであと20分と少しくらいのところです。突然右足のアキレス腱の上部あたりの外皮に違和感が出てきました。最初は木の枝か小石のようなものが登山靴の隙間から入り込んだのかと思いましたが、何もありません。おかしいなと思いつつ確認していると、靴下が登山用ではないことに気づきました。あわてて家をでたため、ふだん履いているぺらぺらの靴下だったのです。その場所は、木は多いのですが左右が谷になった尾根筋で、ちょうど風が非常に強くなってきた時でした。とりあえずザックをおろしてサバイバルキットを取り出し、靴擦れ用のパッチを取り出します。違和感のある部分を見ると、まだ赤くなってきた程度の状態だったため、とりあえずパッチを貼ってから、すこしゆるめに靴ひもを締めて再び下りはじめました。単独行ではちょっとしたトラブルが、そのまま遭難につながることがままあります。今回のトラブルでも、靴擦れ用のパッチや絆創膏などが無かったら、かなり痛い思いをしながら下山する羽目になったでしょう。痛みをこらえて無理な歩行をすることで、転倒などのもっと大きなけがへと事態が悪化した場合、ビバーク用の装備が無ければ、これからの季節は命まで危うくしてしまいます。夜間の歩行のみならず、ふつうの登山・山歩きなどでも、十分な装備を持って入山するようにしてください。


■本日の写真

唐人戻り岩
 昔、唐から来た人が、箕面の滝を見に行こうとして、あまりの道の険しさ・山深さに驚きおそれて、このでっかい岩のところで引き返したそうです。比較するものがないのでわかりにくいですが、かなりでかい岩です。

かなり下ってからの夜景
 箕面の山は、そのほとんどの道で展望がききません。この場所は今回の下りでも唯一視界のきくところです。この写真をとるときは、かなり強い風が吹いており、シャッターを切るときは露出のためにヘッドライトを消していたのでとても怖かったです。