ファイアウォール アンディ・マクナブ著

ファイアウォール
アンディ マクナブ, Andy McNab, 伏見 威蕃

発売日 2003/04
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おすすめ平均
圧倒的に不運な主人公

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元SAS第22連隊(イギリス陸軍特殊空挺部隊)の隊員だった作家、アンディ・マクナブによる3作目の小説です。
小学生のころから「ひとり特殊工作員」だった私は、スパイものや特殊部隊ものなど、参考になりそうな(何の?)書籍や小説を読みあさってきました。しかしその多くはディテール(詳細な記述)が不足しており、プロット(筋立)だけで読ませるような内容が多く、実戦には(だから、何の?)役立たなかったです。その理由はそれらの書物を書いた人間が職業作家であるためでした。綿密な取材やインタビューを行っても、すべての情報が聞き出せるわけではありません。よって、いざ文章にしたときにディテールが不足してしまうのです。
■真打ちの登場
そんな状況の中、ついに本物が登場しました。我らがアンディ・マクナブです。本物の元SAS隊員であると同時に、非常に文章力にすぐれています。ノンフィクションに分類される「ブラボーツーゼロ」や「SAS戦闘員―最強の対テロ・特殊部隊の極秘記録」もたしかにディテールがすごいのですが、小説ではさらにすごいです。あくまで”フィクション”であるとの前提があるため、詳細描写に規制をする必要がないためなのでしょう。
さて、肝心のファイアウォールなのですが、冒頭からぐいぐい話に引き込まれます。役に立ちそうな記述は、ノートに取りながら読み進めましょう。そしてそれを繰り返し読んで、頭にたたき込むようにして下さい。その後25キロの荷物を背負って山を歩き回るようになれば、「ひとり22連隊」のできあがりです。「目立たない」ことを心がけましょう。