ほぼ現状維持


 2月にガンが転移再発している可能性が高いとの検査結果が出てから3ヶ月ほど経過した。自覚できるような体調の変化はないが、造影CT検査ではあいかわらず何かが写っている。しかも先日受けた検査の結果を今日病院で聞いたところ、それが少し大きくなっているとのことだった。一方で腫瘍マーカーなどの数値は変化が認められず、宙ぶらりんな状況はさらに続く模様である。


 検査や診察の際に病院で食事をとるときは、これまでもっぱらパンを食べていた。京都の病院なのであるが、京都市内で評判のいい複数のパン屋から調理パンや菓子パンなどを仕入れているため、それらを選んで食べるのも楽しみであった。しかし、検査や診察の頻度が増すと、さすがに毎回パン食というのも飽きてくる。そんなわけで今日は食堂の定食を注文して食べたのだが、そこでちょっとした事件に遭遇した。


■食事中の離席
 11時過ぎくらいの時間帯であったため、まだ店内は数人しか客がいなかった。テーブルについて注文したものが運ばれるまでKindleで「プロレス少女伝説」を読んでいたのだが、となりのテーブルに20代くらいと思われるの女性が一人でやってきた(目線は向けていないため声のみで判断)。
 先に私の注文品が運ばれてきたのでゆっくり食べ始めた。普通のひとなら満腹までにはいたらない量であろうが、内臓を大幅に改造している私にとっては食べきれるか心配な量である。
 間もなく隣の女性のところへも注文品が運ばれてきた。一方私はさらに食べるペースが下がってきた。ご飯の量を半分にしてもらいたいと思いながら食べていた。しばらく食べ続けてなんとか完食できそうだと思っていると、隣の女性がカバンをもってフッと立ち上がり席を離れていった。もちろん私はその女性に一切視線を向けていないため、帰って行ったのだと見なした。しばらくするとお店の配膳係の女性が隣のテーブルの食器を片付けにやってきた。その直後に帰ったと思っていた女性がテーブルに戻ってきたのである。「まだ途中だったんです。」との女性の言葉に配膳係の人はちょっとしたパニック状態になっていた。「もういいです。」(決してトゲのある言い方ではない)と客の女性が言ってとりあえずは大事にならず収まった。


 配膳係の立場からすれば、混雑し始めた状況で一刻も早くテーブルを片付けたかったのであろう。しかし、完食した状態になっていなければ細心の注意を払って確認した上で片付けを始めなければならないだろう。いったん片付けてしまうと取り返しがつかないからだ。また、食事中に離席する場合には店員にそれと分かるようメッセージを残すのも客側の義務ではある。ナイフとフォークを使っての食事であれば表現しやすいが、割り箸で食べているような状況ではそれも困難だ。ナプキンを椅子に置いておくという手法を使おうにも、紙ナプキンやおしぼりしか無い状況も多いため、自分でそれ用の白ハンカチを用意しておくことも必要かもしれない。
 人間が介在する以上、いろいろな行き違いや勘違いは起こりうるものである。私がほとんど外食をしない理由は、このような面倒に遭うのが嫌だからなのである。


今日の動画
  Blues Brothers Restaurant Scene
   https://www.youtube.com/watch?v=JzzE6XLbC8M