イヤーヘッドホン「エレコム EHP-IN240」購入

 愛用しているipod nano(第二世代)ですが、付属のイヤーヘッドホンが先日壊れました。R側のケーブルが内部で断線したようで、差し込み側のケーブルをいじると時折聞こえるというような状態でした。
ケーブルを切断してから半田で修正しようと試みたのですが、アップル製品らしくそのような修正は非常に困難だったため、あきらめて新しいものを買うことに。


エレコム  EHP-IN240



 現在通っている学校のクラスメートがエレコムの「IN230」を使っていたため、試聴させてもらいました。数年前に購入したソニーカナル型と比べると格段に音圧が高く、音質も非常に良いのにびっくりしました。


 学校が終わってからヨドバシ梅田に直行。ヘッドホン売り場に向かいました。
エレコムの製品は一カ所に集めてあり、お目当てのIN230も置いてありました。ふと見ると、その横には「IN240」という重低音タイプがあります。

ここで思案のしどころに。

 試聴したときはIN230で十分かと思ったのですが、重低音の言葉に惑わされ、結局はIN240のほうを購入。


お菓子を買ってもらった子供よろしく、ヨドバシの出口で箱を開封し、早速使ってみました。

「て、低音が太すぎやん・・」

が第一印象でした。
「いや待て待て。エージングをちゃんとやってみなわからへんで」
ということで、そのまま帰宅してエージングを開始しました。



■パソコンを使用してのエージング
 ご存じないかたもおられるかと思いますので、少し解説を。
スピーカーやヘッドホンは、工場出荷状態のままではいわゆる「慣らし」ができていません。そのため本来の性能を発揮させるためには自動車などと同じように慣らし運転が必要です。これを「aging」と呼びます。文字通り訳すと「年をとらせる」ということです。

 某メーカーでは、「うちの製品はエージングはしなくてもすぐに性能を発揮します」と豪語していたりしますが、あるメーカーは200時間のエージングを推奨していたりします。
可能であれば時間をかけて実施することをおすすめします。


 さてその方法ですが、「ピンクノイズ」を徐々に音量を大きくしながら鳴らし続けるというものがあります。これに、低めの周波数と高めの周波数の「サイン波」を挟むことで理想に近いエージングが行えるようです。

プロ用に作られたCDに、エージングを行うための音源の入ったモノがあるようですが、値段が5千円以上します。それだけのために5千円は出せないので、ノートPCとソフトウェアで代用することにしました。


<使用するソフト>

 1.WaveGene    http://efu.jp.net/soft/wg/wg.html

 2.ロケットマウス http://mojosoft.biz/products/rocketmousepro/


 ピンクノイズ鳴らし続けるだけであれば、「WaveGene」だけで十分エージングが行えます。しかし、これでは低周波と高周波のサイン波を挟み込む作業と、音量を徐々に上げる作業は手動で行わねばなりません。
そこでロケットマウスを使用します。50分ピンクノイズを鳴らした後に5分間80Hzのサイン波を鳴らし、続いて5分間4000Hzのサイン波を鳴らすというサイクルをロケットマウスで記録します。この工程を12回繰り返したのちに、「WaveGene」の音量を1dB上げるようにします。
上記で記録したマクロをロケットマウスに丸3日間実行させることで、音量を徐々に上げながらのエージングが可能になります。4日目からはipod nanoにイヤーヘッドホンを接続して、自分が普段聴いている音楽を聴くようにします(実際には聴かなくてもOK)
ここまで行って、ようやくエージングが完了しました。最初に聴いたときには低音がもこもこにふくらんだような印象でしたが、現在はもこもこした感じもなくなり、くっきりした低音が聴けるようになりました。


■難点
 音に関してはエージング後に問題は解消されましたが、装着感の悪さが問題として残りました。個人差があるかもしれませんが、私の場合は1時間もつけていると耳が痛くなってきます。重低音を再生するための形状が人間の耳にあっていないためと思われます。
設計段階で長時間の装着テストを行っていないのではないかと考えられます。
購入を検討するかたは、最低でも1時間の試聴を行ってから判断することをおすすめします。