苫小牧市でロードサービス社員男性が死亡した件


 NHKのニュースでは表面的な事実をあっさり伝えて終わってしまった。しかし、民放のニュース並にこの事故をつっこんで検証した報道をNHKは行うべきである。
 「不要不急な外出は控えて」とニュースで訴えながら、NHKの記者が今回のような気象条件のなかシカ撃ちに出かけて、このような事態を引き起こしたのは言語道断である。
 突然の天候悪化により、予測不能な状況に陥ったというならともかく、今回の天候悪化は数日前から予測されていた。さらに何度も気象庁から注意の呼びかけがなされ、報道機関も報道をしていた。そのような状況であるのに、自らの娯楽のための狩猟にでかけたのである。まったく許しがたい自分勝手な行動であるといえる。


 民放の報道内容を見ると、ロードサービス会社側の行動にもいくつか判断ミスが含まれているようだ。低体温症の怖さと、悪天候で行動不能になった場合の対処方法をあらかじめ十分把握しておく必要があるだろう。
 今後温暖化がすすめば、今シーズンのような寒波襲来はめずらしくなくなる可能性がある。救助を必要としないような行動を自らの判断でとれるようにするのが、もっとも重要なことなのである。


●参照日記
  大雪に備えた車載道具
   http://d.hatena.ne.jp/SASGSG9/20170124

私は今までにたくさんの誤りを犯してきましたが、幸運に救われたことが何回かありました。でも、いつも命を危険にさらしていれば、そのうちに必ず死にます。
 心得ておくべきは、「これは自分にはできる。しかし、これはできない」ということです。「これは自分の限界だ。これ以上は上に行けない。もう少し低いところにいよう」ということを時々刻々心得ていることはクライミングの基礎の一部です。しかし、何回も限界を超えて登っていると、必ず死にます。登山術とは生き残ることで、死ぬことではありません。

・・・・

 私は非常に用心深い男です。「これは自分にはできないな」と感じれば、できるという確信を得られるまで長いこと待ちます。いちかばちかということはしません。


  ラインホルト・メスナー


  「ビヨンド・リスク」p31

低体温症にかかりはじめると、中央のサーモスタットが反応し、熱を四肢から体の芯に引き寄せようとする。そうなると、手足がこわばりはじめる。芯の温度が落ちるにつれて、体は頭からも熱を引き寄せ、血の循環が悪くなって、頭脳が必要とする酸素や糖が得られなくなる。それがほんとうに危険なのは、なにが起きているかという自覚がないことだ。低体温症が真っ先にやるうちのひとつは、自分を救おうとする意志を奪うことだ。ふるえるのもやめ、心配もしなくなる。それどころか、死にかけていても、いっこうに気にならなくなる。脈拍が不規則になり、眠くなって意識がもうろうとし、やがては意識を失う。治すには外部から熱を与えるしかない――火、温かい飲み物、あるいは他人の体で。

 「ファイアウォール」  アンディ・マクナブ p504

ビヨンド・リスク―世界のクライマー17人が語る冒険の思想
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starヴォイテクの写真がカッコいいです
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starトホホだけど
starなんともかっこよくないヒーロだ
star「ニック・ストーン」シリーズ第3巻

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今日の動画
  【レスキュー 『篠原 秋彦の軌跡』1_6】
   https://www.youtube.com/watch?v=5HvWVAi9d4Y

 ピョンチャンオリンピック終了


 オリンピックが始まるまでに、ブルーレイレコーダー用に外付けハードディスク(3TB)を取り付けて、長時間録画に対応できるよう準備をしておいた。ただし、オリンピック中も定期的に録画している番組は録らなければならないため、録画できる競技はどうしても限定されてしまう。
 その中で全試合を録画したのは、カーリング女子の予選リーグ・決勝トーナメントであった。冬季オリンピックではいつもカーリングメインでしか見てこなかったが、今回は特に面白かった。


 一方で、録画しておきたかったのにできなかった競技が、アルペン女子スーパー大回転の決勝である。金メダルを獲得したエステル・レデツカ選手の一連の言動は、是非残しておきたかったところである。


 次回の冬季オリンピックは見られるかどうかわからないが、東京オリンピックはなんとか見たいものだ。もし生きていればおそらく、レスリング女子と柔道男女のみをすべて見るという偏った観戦のしかたになるであろう。


今日の動画
  Scorpions - Don't stop at the top (1988) HQ
   https://www.youtube.com/watch?v=Unjgyphu2-k&list=RDUnjgyphu2-k

 タクティカルパンツのスナップ修理


 長年愛用しているものであるが、生地が裂けないような作りであるためほとんど劣化していない。ところが、ジッパーの上部についているスナップボタンがゆるくなっていまい、しっかり止まらなくなってしまった。


 とりあえずネットで調べた方法で直そうとするが、効果がないどころか悪化した。すかすかの状態になってしまったのである。やっぱりネットの情報はダメだなと思い直し、しばらくのあいだスナップボタンを虫眼鏡で観察しながら方法を考えた。
 出てきた結論はオス側の突起を垂直に上から金槌で叩き、突起の直径を広げることであった。


 早速工具箱から金槌と土台になる金属(今回はソケットレンチの特大ソケット)を取り出し、ソケット部分にオス側スナップを固定して軽く叩いてはテストを行うことを繰り返した。何度かテストをして最適な力でスナップが固定されるところで作業を終了。当面はこれで問題ないだろうと思われる。


 上記の手順はすぐさまHP200LXに常駐させているVZエディタで入力。すぐに「CLIP」というマクロを起動してメモファイルに格納した。
 もちろんごらんのようにはてな日記にも入力しているわけであるが、一企業が運営しているサービスというのはいつ停止するかわからない。また、個人情報が含まれるような内容であれば一般に公開するわけにもいかないのであるから、非公開の形(できればスタンドアローンな端末に)で記録しておくべきである。


今日の動画
  Primitive Technology: A-frame hut
   https://www.youtube.com/watch?v=_7985zBEM3o


 最近はこの人と同じような撮影、編集をした動画も多くなってきた。いろんな国のいろんな手法が見られるのはおもしろい。ただ、BGMを入れている動画は正直勘弁して欲しい。

 本の整理


 知らないうちに2018年もすでに2週間経過した。しかしながら、私としては年が暮れようが明けようが、どうでもよいことなのである。年単位で時間の経過を測ることはもはや意味をなくしているからである。
 よって、年末の大掃除も当然やっておらず、年が明けて一週間以上経ってから行った。ついでに本の整理もやったのであるが、2年半ほど前の手術直前に行った本の大量処分からこれまでの間に、またもや本が大量に増殖している。ここのところはとにかく手元にある本をひたすら読んでいる段階なので、増殖も一旦停止している状況である。


 年が明けてからはブックオフの2割引セールをはしごしたりして読みたい本を少し買い増しした。しかし、ブックオフのような形態の店舗では、希少な絶版本の入手は年々困難になってきている。それと同時に、わずか数年後には(もしくは発売時点でさえ)社会的価値がなくなっているような本が売り場の一定面積を占有するようになってきている。店舗側としては利益を上げるのが最優先であるから、今売れる商品を置くのは当然のことなのでこれには文句を言えない。この傾向は小型の新刊本書店でも見られる現象である。自分にとって価値のある本が目に入らないので、それらは存在していないのと同じことになってしまうのである(量子力学の世界そのものである)。


 よって、ときどき大型書店の売り場をすべて見て歩くようにしている。とにかくすみからすみまでジャンルを問わずに背表紙を見て歩くのである。気になった本は手に取って中身も見るのでとにかく時間がかかり、体力も消耗する。年明けに京都で定期的な診察があったときにこれをやったのであるが、2日後には高熱が出て寝込んでしまったほどである。

 膨大な数の本を見ていっても、購入してみようと思ったのは10冊程度しかなかった。実際に購入したのは「アウシュヴィッツの図書係」という本で、1年半ほど前に日本で翻訳されたものである。最終的にはKindle版を購入したのであるが、紙の本を買わなかった理由は保管スペースの不足によるものである。


 これまで書評めいた内容のことはあまり書いてこなかった。今後も積極的に書いていこうとは思わないが、どうしても紹介したい本については書いていくようにしたい。ただし、内容をくどくど書くのはまだそれを読んでいない人にとって不利益なだけなので、ごく短い紹介文程度のものになるであろう。


今日の動画
  Oliver Nelson ~ Yearnin'
   https://www.youtube.com/watch?v=2ibiHLgDAEs

 車の修理が完了する


 完了するのは年が明けてからとディーラーから言われていたが、予定より早く修理が終わった。
 損傷を受けた部分はピンポイントで数カ所といったところだったので、それらの部分を新品に交換したのが主な修理内容。総額は40万円ほどだが、車両保険のおかげで修理に関する費用は発生せず。任意保険の等級が上がることで向こう3年は年に3万円ほど保険料が上がるが、気にすることでもない。


 先日CSで放送されている「ザ・山男」を見ていたのであるが、ライフルで撃たれた場合でもシカは2分ほど動けるらしい。もちろん脳幹や脊髄などを撃たれれば即死もしくは行動不能になるだろうが、そうでなければアドレナリンが大量に分泌されることで、危険地帯からとりあえず離れる程度は活動できるようだ。


 車が受けた損傷からすると、衝突直後に姿を消していたものの、おそらく数十メートルから数百メートル移動した森のなかで絶命した可能性が高いと思われる。なんともかわいそうなことをしてしまったものだ。


 走行中に録画していた映像を何度も見たのであるが、ゆるい右カーブの途中で斜め右方向から車の正面に向かって走り寄ってきていた。ぶつかる直前までシカの存在に気づかなかったのであるが、激しい雪でヘッドライトをハイビームにできなかったことも発見できなかった要因であろう。
 また、路面が完全に雪で覆われていたため、フォグランプを点灯していたのであるが、これもより遠くを見るためには障害となる。雪の場合はとくにスポットライト効果が大きくなるので、発見が遅れた要因のひとつであろう。


 衝突したときには相手がシカであることをはっきり確認できていたので、衝突後のブレーキングは意図的にゆるくかけるようにした。ABSが作動するような激しく踏み込むブレーキングをしていたら、ワイヤー式のガードレールと橋の欄干の切れ目部分にアンダーステアの状態で突っ込んでいき、車は中破か大破し、私も何らかの肉体的ダメージを受けていたであろう。


 悪天候のときにはできれば車に乗らないようにすべきであるが、日常生活を送るうえではそうもいかない。そのため、あらゆる条件のときにより安全に走行できるよう理論面、技術面で経験値を上げておくことは必要である。以下に冬がくるたびに繰り返し目を通している書籍を紹介しておく。


●参照書籍

雪道だって大丈夫!スノードライブ徹底マスター (JAF CAR BOOKS)
雪道だって大丈夫!スノードライブ徹底マスター (JAF CAR BOOKS)島田 親吾

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雪路・氷結路のドライビング (Car books)
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今日の動画
  Toni Bou - Tribute
   https://www.youtube.com/watch?v=_oNNjHlKOxo

 ついに事故を起こしてしまう


 無事故・無違反をけっこう長く続けていたのであるが、先日とうとうやってしまった。吹雪の中を走行中にシカと衝突してしまったのである。
 路面には7,8cmの積雪があり、ドカドカ雪が盛大に降りしきるまだ真っ暗な早朝だったため発見が遅れた。気づいたときにはすでに、メスジカの顔が車体正面右からこっちへ向いてせまっており、次の瞬間には車正面にぶつかっていた。シカの体は車体右側面方向へ回転し、さらに車体にぶつかり雪の上を2メートルほどスライディングのように滑っていった。

 ぶつかる時にはハンドル操作をしなかったためガードレールなどにはぶつからず、そのまま減速して車を左へ寄せて停車させ、すぐにハザードランプを点灯。運転席のドアを開けようとしたら、半分くらいのところで「バキバキ」と音がしてえらく抵抗があった。車体右側に損傷があるためである。そのまま車を降りてシカとぶつかった場所を見ると、すでにシカは走り去っており姿が見えず。車の確認をすると、ヘッドライトなどの灯火類には破損もヒビも見られず。ボンネット真ん中とボディの右側の変形のみであった。エンジン内部を見ても、見た目にはラジエータだけが損傷を受けているようだが、走行には支障はないような状態。
 3分ほどで状況確認が終わったが、少し離れたところからシカの鳴き声が聞こえた。おそらく衝突したメスジカの子供ではないかと思われた。なんともやりきれない気分になったのである。


 後で知ったのであるが、本来ならその場で警察(最寄りの所轄警察署か110番)に電話をして現場検証をしてもらう必要があるようだ。しかし、相手がシカであることと、そのシカがすでにどこかへ行ってしまったことから警察へ連絡せずにそのまま自宅へ向かってしまった。ドカ雪のなか、もしエンジンが止まったりしたらたいへんだと思ったからである。テントや寝袋、1日分の食料と登山用コンロは車に積んでいた(冬場は常にそうしている)。だから道路脇にテントを張り、雪を溶かしてお湯を沸かし、あったかい食事をしながら警察の到着を待ってもよかったのであるが、そんなことをしていたら警察官がカンカンに怒っていたであろう。

 とりあえず無事に自宅に帰り、すぐに衝突現場の所轄警察署へ電話をした。「現場から連絡してもらわないと・・・」と相手の警官は言っていたが、結局事故処理(状況説明と車の撮影会)は自宅の所轄警察署でやってもらった。


 話が前後するが、警察の前に保険会社へ連絡を入れていた。まずはお決まりの「お体は大丈夫ですか」と聞かれる。むしろシカの体のほうを心配するくらいこちらはノーダメージである。車の損傷具合を説明し、警察への連絡はした方がいいか聞いたところ、連絡することをおすすめしますと言われた。


 事故当日はディーラーが定休日だったので翌日にディーラーへ連絡。滋賀県ではシカなど野生動物との事故は少なくないので、そう驚かれることもなく各処理をスムーズにしてもらえた。
 車両保険をかけていたので修理代は全額保険から出してもらえることに。ただ、修理が完了するのは来年に入ってからとのことなので、雪の白川郷夜景写真撮影は今年中に行うことは困難となってしまったのである。


今日の動画
  Sarah Vaughan - Lullaby of Birdland
   https://www.youtube.com/watch?v=x8cFdZyWOOs

 羽生永世七冠


 最後の永世竜王獲得まで時間がかかったが、ついに永世七冠という偉業を達成された。ただ単に「才能」という言葉では片付けられないくらい、到達するのが困難な記録と言えよう。


 羽生さんの尊敬できる部分として取り上げたいエピソードが二つある。


 まずひとつめは、村山聖棋士が亡くなったときの行動。村山さんは29歳でガンにより亡くなったのだが、本人は自分が亡くなったことを誰にも言わないよう遺言していた。しかし、やむを得ないことであるが、亡くなったことは関係者の間に当然ながら広まっていく。村山さんの弟弟子であった山崎(現八段)さんにも連絡は入り、山崎さんは村山さんの実家がある広島に向かった。村山さんのご両親と顔を合わせたときにある事実を聞いて、山崎さんは驚愕する。「羽生さんが来て、もう帰られた」と、ご両親は言われたのだ。
 当時の羽生さんは対局も立て込んでおり、その合間を縫って広島までやってきたのである。この話を「聖の青春」で読んだのであるが、著者の大崎さんが書いているように、羽生さんのすごさはやるべきことをどんなことがあってもやりとげるという行動力にあるのだろう。


 ふたつめであるが、瀬川五段がアマチュアからプロになるために奮闘していたときのことである。詳細は「泣き虫しょったんの奇跡」に書かれているが、非常に重要な場面で羽生さんが登場してくる。この下りを読んだとき、思わず「オーッ!」と声が出たのである。


 永世七冠を達成したときにも非常に謙虚なコメントをされていたが、羽生さんはとにかく威張らない。将棋の技術書以外の著作や対談なども飛び抜けて多く、将棋をやらない人も是非読むことをおすすめしたいのである。


●参照URL
 ドラマ「聖の青春」が久々に放送される模様。

TBSチャンネル
http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d2782/

12/22(金)午後11:00〜深夜0:40


今日の動画
  【将棋】加藤一二三米長邦雄大盤解説【ひふみん】
   https://www.youtube.com/watch?v=pr6-Bv3RVTw