新型インフル、「感染弱者」の予防徹底 厚労省が冊子作成へ

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090815AT1G1501N15082009.html

 国内で新型インフルエンザの感染が拡大する中、厚生労働省はインフルエンザに感染した場合に重症化しやすい患者や妊婦など「感染弱者」向けの小冊子を作成することを決めた。15日に国内で初めて亡くなった沖縄県在住の男性(57)も慢性腎不全の患者だった。感染予防の方法に加え、感染した場合に重症化する危険性があることを周知し、早期の受診を求める。
 沖縄県によると、今回、初めて新型インフルエンザに感染して亡くなった男性は、インフルエンザから肺炎を起こし、さらに敗血症となったことが死因。男性は慢性腎不全で透析を受けていたほか、心筋梗塞(こうそく)の治療歴もあった。
 厚労省によると、(1)慢性腎不全など基礎疾患を抱えている患者などは免疫機能が弱まっている(2)感染するなどして体に負担がかかると、元々弱っている部分が悪化する――などの理由で、重症化しやすい。特に腎機能が低下していると、免疫力が落ち、感染症にかかりやすくなる。

上記の記事にあるような「感染予防」「早期受診」はもちろん大事ですが、重症化した場合に必要な人工呼吸器を全国的に拡充するというようなハード面での対策も同時に進めなければ、本格的な流行にとても対処できないのではないかと思います。

 米国では人工呼吸器が絶対的に不足することを数年前から認識しており、これの拡充に力をいれてきました。さらに、ワクチン接種の優先順位も年齢別にあらかじめ決めてあり、将来のある若い世代を最優先することになっています。
一方日本では、ハード面ではほとんど何もすすめていない上、ワクチン接種の優先順位や重症化した場合に人工呼吸器を誰に優先的に使用するかなどもガイドラインが決められていません。前記の記事のように犠牲者が出てからようやく腰を上げるレベルでは、秋口以降の流行で混乱は必至ではないかと思われます。