正しい腕立て伏せのやり方

 ウエイトを使って大胸筋を鍛える方法としては、ベンチプレス(ベンチに仰向けに寝てバーベルやダンベルを上下させる)が一般的です。
それらの器具がない場合の方法としては腕立て伏せ(プッシュアップ)という方法が広く知られています。しかしながら「正しい腕立て伏せ」のやり方は一部を除いてほとんど知られていないのには驚かされます。間違ったフォームで回数をこなしても効果はあがりません。あまりに多くの間違った解説がネット上にあふれているため、正しい方法を書きたいと思います。


■姿勢
1.床にうつぶせに寝て、両手が一直線になるように左右にのばす
2.ひじの位置に、左右の手のひらを持ってくる(幅はこれで決定)
3.その位置から手のひら一つ分下(足のほう)へずらす
4.そのまま体を上げ、体がほぼ直線になるようにする
5.肩甲骨を寄せて胸を張るようにする
6.息を吸いながら、胸が床に触れる寸前まで体をおろしていく
7.息を吐きながら体をあげる
以後6・7を繰り返す。大胸筋を意識しながらやることが重要。
手首が痛い場合はプッシュアップバーや角材などを使ってもかまいません。そのほうがより深くまで体を沈めることができるので効果は高いです。
回数は10回(10レップ)を3セットが標準です。


フォームが崩れないようにすることがとても大切です。ほとんどの人が手のひらの位置を上にしすぎているのが現状(負荷が小さくなりすぎ)。正しい位置に手のひらをつくことで、自分の体重の3分の2のバーベルでベンチプレスをするのと同じ負荷をかけることができます。
このやり方だと、ほとんどの人が10回3セットはきついと思います。その場合はまず両膝をついた状態、もしくは両手を台についた状態で負荷を小さくしてください。
普通のフォームで10回3セットができるようになったら、重り(プレートや水を入れたペットボトル)を入れたリュックサックを背負って正しいフォームで行ってください。同じ負荷で回数をふやしても、筋持久力しか強化されません。足の位置を高くして負荷をかける方法はフォームが崩れやすいのでおすすめできません。ただし足の位置を高くすることで、大胸筋の上部により多くの刺激を与えることはできます。


■栄養と超回復
 上記の方法で腕立て伏せをやると、翌日か翌々日あたりで大胸筋に筋肉痛が出ます。痛みがある間は同じトレーニングはしないようにしましょう(超回復)。だいたい中1日か中2日くらいで痛みが無くなり、かるく張りがあるくらいになったら同じ負荷、または若干負荷を増してトレーニングしてください。
運動直後からタンパク質を多めに摂るようにしないと筋肉は大きくなりませんので栄養にも注意してください。