WHOメディカルオフィサー進藤奈邦子さんのお話中ですが


5/23放送のNHK「追跡!A to Z 新型インフルエンザ対策 何が問われているのか」を見ました。
●NHKオンデマンド  https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2009008017SC000/index.html

政府や行政の混乱ぶりを見ると、秋からの本格的な流行でどのようなことになるのかとても心配になりました。


さて、この番組の最後にWHOメディカルオフィサーである進藤奈邦子さんへの衛星中継によるインタビューがありました。一部省略しますが、内容は以下のとおり。


キャスター「日本の今の現状は?」

進藤さん
「このウイルスの性質からして、ある程度地域で感染が広まっていると考えて間違いないと思う。」
「学校というのは私たちの間では感染を増幅する機関と考えている。神戸の学校で感染の広がりが判明したのはそのため。」
「ニューヨークの学校で1ヶ月前に発生した集団感染はいったん消えたかのように見えたが、現在は次々と患者が増えていて、どんどん休校数が増えている。ニューヨークのウェブサイトを見れば分かると思う。」



レポーター「日本では季節性とほとんど変わらないという認識になっているが? また今後毒性を強めることはないのか?」

進藤さん
「非常に感染力が高い。」
「毒性は鳥インフルエンザとくらべると弱いが、はっきり季節性とは違う。従来、インフルエンザというのは直接の健康被害を評価することは難しい。全体の死亡者数・入院者数で見ている。
一方新型インフルエンザは肺炎による入院、このウイルスによる直接性の肺炎による入院が、アメリカ・メキシコから報告されている。」
「従来危険の対象と言われている・・・(ここで時間切れのためキャスターより待ったが入る)


タイムラグがあってから(衛星中継のため)
進藤さん「若年層に・・・(再度待ったが入って番組終了)


キャスターには罪はありません。罪はこの番組を構成したディレクターにあります。そもそも生中継の場合、衛星回線を使ったインタビューは番組の最後に持ってくるべきではありません(番組の構成上は最後のほうがまとめやすいでしょうけど)。
番組の中盤にインタビューを入れておけば、後半の時間切れも自分たちの取材内容をカットすることで対処できるはず。インタビューに出てくださった進藤さんにたいして失礼極まりない上に、視聴者に有益な情報を伝えることも果たせないまま中途半端に終わってしまってます。
新聞やテレビの報道では、専門家による正確な情報が非常に不足している気がします。もっとしっかり報道して欲しい・・・。


追記:ニューヨークの学校閉鎖に関する情報もとが分かったので追記しておきます。

 ●Most Current List of Schools Closed Due to Illness and Daily Attendance Rates
   http://schools.nyc.gov/Home/Spotlight/closures.htm
 すべての学校の出席率がリストアップされており、生徒の罹患率によって個別に学校閉鎖を勧告しているようです。


●参照
 WHOアドバイザーが語る新型インフルエンザ対策で今すべきこと  http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090522/1026454/?top