感染の速度を遅らせるしか・・・

 もはや感染拡大は防ぎようがないので、あとはいかにその速度を遅らせるかといったところでありましょう。
神戸・大阪での感染状況を見ると、症状を自覚してからの行動にまったく緊張感がありません。近所の診療所で診察を受けたり、症状が出ているのに学校へ登校したりしているわけです。新型インフルエンザに関心を持ち、ここ3週間近くの間ニュースなどで積極的に情報収集をしてきた人なら絶対にやらないようなことをやっています。いや、むしろ日本人の半分以上はこんな意識だと考えるのが妥当なところなのでしょう。
 神戸の高校生に感染させたであろう人物は、自分に症状が出ても受診しなかったことは明白です(受診していればニュースで報道されているはず)。すでに相当の規模で感染が拡がっており、現時点では潜伏期間にある人も多いため数字に上がっていないだけなのではないでしょうか。あと一週間から10日くらいたてば感染者の数字も増えるでしょう。しかしその数字の裏には、医療機関で受診することのない人間が相当数いると考えられるため感染がさらに急拡大していくことも考えられます。


 今の段階では発熱外来(陰圧室などがあるところ)も十分数が足りていますが、感染者が急増してしまうとまったく数が足りなくなります。そうなると院内感染が発生していくことも十分考えられますので、持病を抱えている入院患者や外来患者が危険にさらされていくことになります。このような事態を避けるには、感染拡大の速度を遅くしてピークを低くする必要があります。そのためには一人一人が可能な限り予防策を徹底していくしかありません。各マスコミは具体的な予防策を繰り返し報道することでその責任を果たして欲しいところです。


●参照動画
 私たちにもできる新型インフルエンザの身近な予防策  http://www.youtube.com/watch?v=f4citqUnYOk