自転車はどこを走るべきか

 昔から議論されている問題ですが、歩道上を走る自転車のマナーが悪いとの指摘も多く、「自転車は車道を走るべき」との意見が多数を占めるようになってきたようです。
しかし、自転車利用者へのマナー教育や交通ルール違反への罰則強化をないがしろにしたまま自転車を車道に追いやることは、取り返しのつかない事態を招くと思うのです。


■車道を走る自転車
 滋賀県の琵琶湖は、自転車乗りにとって「琵琶湖一周」という非常に快適なツーリングコースを提供しています。
休みの日には多くのチャリダー(その多くはロードバイクに乗るローディー)が湖岸道路を走っておられます。しかし、路側帯が非常に狭い湖岸道路(日本の道路としては国道並み)において、車道を走る自転車を車が追い抜くのは非常に危険を伴うのです。それは追い越される自転車のみならず、反対車線を走る対向車にも及ぶものです。
 車幅感覚が身についていないドライバーが自転車を追い抜くとき、異常なまでに反対車線に飛び出してくることがあります。対向車の有無をほとんど確認しないまま追い抜くドライバーもいるため、反対車線を走る車にとっては恐るべき脅威となります。
湖岸道路は大型トラックの通行もけっこう多いですので、危険度はさらに高まります。


 私も自転車は大好きですので、自転車そのものをとやかく言うつもりはありません。
しかし現在の日本の道路事情を考えると、自転車が車道を走るのはあまりにも多くの危険をはらむことは否めないでしょう。
湖岸道路は歩道が広めで歩行者もほとんどいないような部分が多いですので、そのようなところでは極力歩道を走るようにしたほうがいいのではないでしょうか。


 ちなみに、今日も奥琵琶湖パークウェイに行ってきたのですが、帰りには対向車線を走るチャリダーをたくさん見かけました。そのうちの一人を対向車線の大型トラックが追い抜いたのですが、ちょうどそのタイミングで「チャリダー」「大型トラック」「私の車」がきっちりすれ違う状態となりました。トラックはこっちの車線に車体右側をはみ出してきたため、私は左タイヤを歩道の縁石から10cm以内の位置まで寄せることになりました。湖岸道路の車の流れからすると、このような状況ではいつ死亡事故が起きても不思議ではないでしょう。
追い抜く側が「待つ」義務があるのは当然ですが、すべてのドライバーがそのルールを守るとは限りません。反対車線を走るドライバーも、かなり前方から対向車の動きを良く見ておかないと、思わぬ事故に巻き込まれる危険があります。十分注意するようにしましょう。


●今日の写真

奥琵琶湖パークウェイ つづら尾展望台から撮影。遠方の山並みがきれいだったため、デジカメの最大ズームで撮影。