目的と目標
タイムマネジメントや手帳関連の書籍でよく登場する言葉に、「目標」があります。
おおむね「目標=ゴール(到達点)」という意味で書かれていることが多いのですが、これは目標の定義としてはあまりよくない気がします。
本来なら「目的」と言うべき事柄を「目標」と表現してしまっているのです。
■目標の正確な定義
ただ単に国語辞典を調べるだけでは意味が理解しづらいですが、以下に引用する文章がもっともよく目標の意味を説明していると思います。
すこし長いですが、「効果的なプランニングの要素」も併せて読むことで、目標の意味がより理解できると思います。
目標は単なる夢、幻想、希望ではないし、将来の予想や推測でもない。
目標は将来の結果に対する現在の意思決定と選択である。いったん設定された目標が不変であってはならない。それはタスクではなく、変化する現実に対応するために繰り返されるプロセスである。
効果的なプランニングの要素
■目標の設定は、
・特定でき、具体的であること(抽象的であったり焦点がぼけたりしていないこと)
・測定可能であること
・時間に関連づけられていること(一定期間に達成すべき目標が特定されている)
・現実的であること
・修正、適応が可能であること
・達成による成果が著しいこと
■優先順位が明確で、対立するタスクとその解決策が特定されている。
■目標の達成を阻害する問題や障害が特定されている。
■目標の達成のために実行すべきタスクとアクション・ステップが特定されている。
■成果の測定方法が明確である。
■特に、収益、費用、資金繰り、最終期日の進捗状況をレビューするためのマイルストーンが組み込まれている。
■目標達成のリスクと突発事象に対応するための代替案が特定されている。
■目標を達成するために必要な支援者と経営資源が特定されている。
■定期的に進捗状況をレビューし、競争状況の変化などの要因に応じて目標を修正するプロセスが組み込まれている。
「ベンチャー創造の理論と戦略」ジェフリー・A・ティモンズ p359
以上のように、目標というのは目的を達成するために設けられる「プロセス」なのです。
上記の引用は、ビジネスプランの策定や、実際に事業を行っていくにあたってのSOP(標準作戦手順)と言えます。
今年も相変わらず乱発され続けている「手帳本」を読むより、よほど有益な内容かと思います。
ベンチャー創造の理論と戦略―起業機会探索から資金調達までの実践的方法論 | |
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