電子書籍用端末

 3/13付けの週刊アスキーを読み返したところ、読み飛ばしていた記事のなかに、サエキけんぞう氏による「ワーズギア」のインプレがありました。まずはサエキ氏の眉毛ともみあげをルーペでじっくり鑑賞したあと、本文を読みました。


ワーズギア https://www.saidoku.com/wordsgear/index.html
 以前から電子書籍端末は何種類か発売されましたが、あまりぱっとせずに店頭から姿を消してしまいました。その理由はずばり「でかすぎる」「重すぎる」ことにあると思います。
そもそも電子書籍などは外出先で本を読もうという人たちにターゲットを絞り込むべきです。それらの人たちが本を読むシチュエーションとして、交通機関での移動中や、ちょっとした待ち時間などがまず考えられます。その状況では片手で端末を持ち上げた体勢を取らなければなりません。短時間ならともかく、ある程度の時間そのような体勢のままでいるのはけっこうつらくなるでしょう。
文庫本1冊の重さは平均して150グラム程度と言われます。これに対してワーズギアは約325グラム。文庫本2冊分です。せめて半分の重さにしないとだめではないかと。


 読書のための端末として機能を特化すべきなのに、音声ファイルが聞けるとか、動画が見られるとか、あまりにも余計な機能をつけすぎではないでしょうか。
外出先での読書用として作るのなら、
 ・軽い
 ・バッテリーを無駄に消費しないよう、画面を小さめにする
この2点をまず押さえるべきかと思うのです。

また、紙の書籍と違って電子書籍のページめくりはボタン操作のみですので手間はかかりません。狭い画面でも次々にページを送っていけばいいのです。文字メインの読書端末としては、ワーズギアの画面は大きすぎます。それに「直感的に操作できる」として、ページめくりの操作部にタッチセンサーを使っているのは愚の骨頂と言いたくなります。そもそも読書の時には前から後ろへの一方向にしかページを送りません。ページを戻るのは例外的な操作となります。そうすると指の位置を動かさずにページを送れるように、送り・戻りのボタンを独立させてつけるのが最も使いやすいと思います。普通のケータイで電子書籍を読む場合はこのような操作になっていますので、電子書籍専用ではないケータイにさえ操作性で負けている状態です。


 現在の電子書籍市場は、日本の場合その多くがケータイで読まれているのではないかと思います。私の場合も電子書籍Treo750vで読んでます(以前はpalmTXで読んでましたが)。ケータイはなにしろ軽いため、長時間読書をしても疲労しません。


 結局どの機能をとっても中途半端になるなら、もっと機能を特化する方向で設計して欲しいところです。読書という行為そのものの分析からしっかりやってもらいたいです。