W−ZERO3

 発売当初は品薄が続いたZERO3ですが、現在はアーリーマジョリティへの普及手前で少し停滞ぎみのようです。一般ユーザーへの普及は、よほどのことがない限り停滞すると考えられます。一方で、企業での導入は比較的順調に進むのではないかと思います。

 さて、発売当初はZERO3購入はほとんど考えていなかった私なのですが、実は2月のおわりくらいに本体のみを買ってしまいました。
 理由の一つとして、テキスト入力マシンとして使おうという目的があります。以前からテキスト入力にはHP200LXを使ってきたのですが、「ブラインドタッチ可能+ATOK+Vzエディタ」という、テキスト入力においては最強の環境にあっても、
 ・本体の重量
 ・通信関係ソフトとの連携
 ・単体での通信の限界
 ・製造が中止されている
など、200LXの役割を見直すべきときが来ていることを以前から感じていました。

palmでのテキスト入力
 その役割を受け継がせる候補として、真っ先に考えたのは「palm」だったのですが、テキスト入力端末としては明らかに力不足です。
いくつかキーボードも購入して使ってみたのですが、入力を開始できるまでに手間がかかることや、使える状況が限られるなど、特に外出先では不便を強いられる状況でした。
 「グラフィティ入力+POBOX」も、グラフィティ2環境になってからは、あまり快適とは言えなくなりました。誤認識が多く、時として非常に手間取る場合が発生しがちなのです。
 それに加えて、パームでは大きな容量のテキストが扱いづらい面があります。標準のアプリケーションはもちろん、サードパーティのソフトでも容量制限があり、一定容量を超えると入力を受け付けません。容量制限の無いソフトを使うと、読み込みなどに異常に時間がかかったりして、今度は迅速な入力ができないことになります。

■ZERO3でのテキスト入力
 ZERO3発売から、ブログなどの情報をずっとワッチし続け、2月末に単体のみを入手しました。とりあえず単体で使用してみて使えるかどうかを試してみようと目論んだのです。
 PPC系統であれば、真っ先に思いつくのが「PWZ 3.0(Pocket WZ 3.0)」ですが、残念ながらZERO3には対応していませんでした。それ以外のテキストエディタは、いずれも容量制限があり、日々の日記をひとつのファイルとして1年間入力することはできません。PWZがZERO3対応になるのを待つしかなさそうです。
 テキスト入力自体は、思ったよりも快適です。ケータイでの入力を考えれば、両手が使える状況であれば非常に速いです。ただし、片手しか使えない環境では普通のケータイよりも不便になります。このあたりはその人の使用環境しだいと思います。

■データ25を契約
 そんなこんなで、1ヶ月ほど単体でいじり回してきましたが、先日「データ25」で契約を行いました。電話としてはほとんど使用しないので、「音声定額」契約は全く必要ありません。そうなるとデータ通信での契約となりますが、1日に使用する時間は長くても30分に満たないと見積もられるため、一月の通信時間が25時間以内なら追加料金が発生しない「データ25」が最適と判断しました。この契約なら「x4=128k」の速度で通信できますし、電話として通話も可能です。しかも電話としての通話料金は、相手がウィルコムで無い場合は音声定額よりも割安になっています。自宅でADSLや光の環境がある人で、ウィルコム相手の通話がそれほど多くない人の場合は「データ25」を検討してみてもいいと思います。
 ただし、この契約で端末を使う場合には注意しなくてはいけないことがあります。ブラウザやメーラーを設定するときに、必ず自分が加入しているプロバイダの接続設定にしておかなければなりません。デフォルトではウィルコムの「CLUB AIR-EDGE」が接続先となっているので、最初は勝手に「CLUB AIR-EDGE」へと接続しにいってしまいます。通信関係のソフトを新しくインストールするときは十分注意してください。
 究極的な対策としては、デフォルトで設定されている「CLUB AIR-EDGE」の接続設定を削除してしまうことです。

メーラー
 「データ25」を契約した最も大きな理由が、メールで音声の添付ファイルを受信することにあります。
自宅の留守番電話にはパソコンが接続してあり、誰かが留守番電話メッセージを録音すると、パソコンのハードディスクに自動的に録音されます。留守電のメッセージが入ったかどうかは一定時間ごとに自動でチェックしており、新しいメッセージがあれば録音された「.wav」ファイルをメールに添付して送信するようにしています。
これを職場や外出先で受信するわけですが、ファイル形式から普通のケータイでは受信そのものができません(ファイル形式や容量制限に引っかかる)
FOMAのM1000は受信可能ですが、パケット定額でないために無線LAN環境で受信しないといけません。これでは受信場所が限定されます。
これらの問題を解決するのがウィルコムの通信環境となります。128kの速度は、3Gのケータイや無線LANなどと比べると非常に遅いのですが、パケット代を気にしなくていいのはありがたいです。しかも無線LANのような受信場所の制限もありません。
 ただし、メーラーによっては添付ファイルを受信できない、または非常に時間がかかります。標準のメーラーはファイルサイズが大きいと、いつまでたってもDLできません。
現在のところ最も速く添付ファイルがDLでき、音声の再生や保存のインターフェースにもすぐれているのは「QMail 3」です。普段使いのメーラーとしてもたいへん使いやすく、ZERO3で使用するなら一番かと思います。



以上、現在はこんなところです。もっと面白い使い方があればまた書いていきたいと思います。