日付が確定している予定への対処

 紙の手帳とPDAとの大きな違いに、「転記」があります。
たとえばある予定が発生した場合、PDAでは日付(場合によって時間も)が確定していれば、その日付(・時間)へ一度入力してしまえば、デイリー・ウィークリー・マンスリーなどの各表示形式にすべて反映されます。これは一見すると非常に便利なようですが、実は大きな罠があるのです。
■事前の準備
 予定の内容によって違いますが、どんな予定であれなんらかの「事前準備」が必要であるのが普通です。どれくらいの準備事項があるかは、その予定の性格に依存します。場合によってはたいへん多くの準備が必要な予定もあり、それらに対する処理時間もそれ相応にかかってきます。
準備項目が多くなる予定は、たんなる予定ではなく「プロジェクト」として独立させて、分解された処理項目を改めて「予定」としてスケジュールに落とし込んでいく必要があります。
 予定当日までにそれほど準備項目が多くない場合は、何日前に何をするかを、直接スケジュールとして記入してしまってもいいと思います。
 さてここで冒頭の話に戻りますが、PDAはかなり先の予定まで入力することが可能です(私のpalmは2031年の大晦日まで可能)
デイリービューで入力すれば、ウィークリーやマンスリーへの転記も必要ありません。しかしそこで安心してしまうと、「事前準備」をすることなく当日を迎えてしまうという事態が発生することになるのです。
これを回避するためには、その予定に対する準備がまだ行われていないことを把握しておくことが必要です。予定日が確定しているなら、まずはそれをスケジュールに入力しておきます。その後、予定を長期的に把握できる別の入れ物にも入力しておくのです。私がそのために使用しているのが「Bonsai」です。

このソフトはいわゆるアウトラインプロセッサです。キャプチャは「月間スケジュール」となっていますが、「年」の項目にその年の各月の予定もコピーしてあるので、年間スケジュールも兼ねています。予定のある月には右端に「メモ」アイコンが表示されますので、そのアイコンをタップしていけばこの先にどんな予定があるかをすぐに把握できます。各予定をより細かく管理したいなら、さらに下の階層にツリーを追加してもいいでしょう。しかし、そのようなケースでは「プロジェクト」として独立した項目を作成するほうがいいかもしれません。プロジェクトとして管理する場合は、より機能が特化されている「Project@Hand2」を使っています。
 palm標準の「予定表」は、「週間予定」「月間予定」など、ある期間内でいくつかの予定をこなしていくような場合、かなり使いにくい面があります。それを前記の方法でおぎなってやるのです。


■紙の手帳の場合
 紙の手帳ではどうかといいますと、綴じ手帳の場合はPDAと同じ事態が発生しうるのです。ほぼ日手帳のように365日分のデイリーが綴じてあったり、能率手帳のように同じく1年分のウィークリーが綴じてある場合、予定の日付をデイリーまたはウィークリーに記入するだけで終わってしまうと、必要な準備を怠ったり、ぎりぎりになってあわてることになったりします。このような事態を回避するためには、年間予定表や月間予定表を使って長期的にプランニングをする必要があります。しかし、たくさんのプロジェクトを抱えている人の場合、綴じ手帳ではスペースが足りなくなると思います。複数の手帳で分冊させるか、システム手帳を使うかの選択になるでしょう。もちろんPDAならスペース不足は発生しませんが・・
 一方、私が使用しているシステム手帳「システムダイアリー」の場合はどうかと言いますと、90枚までしかリフィルが綴じられないという制限があるため、デイリーは10日分、ウィークリーも2ヶ月先までしか綴じておけません。それより先の予定は「月間予定」とタイトルをつけたリフィルに記入するため、自然に長期予定から短期予定への落とし込みができるようになっています。


 PDAを使うにしても紙の手帳を使うにしても、予定が入ったら、まずはそれを鳥観して、必要な処理項目を洗い出し、それをすべて書き出して、各項目を必要な日付・時間へと記入していく。これが本来のスケジュール帳の使い方であるべきだと思います。