「ハンナ・アーレント(字幕版) 2013」「スペシャリスト/自覚なき殺戮者 (字幕版) 1999」


 1回目の入院からいったん退院したあと、初めてアマゾンインスタントビデオを利用してみた。自宅でのwifiは常時20MB弱くらいの速度が出ているので視聴にはまったく問題なく、普通にDVDを見ているのと変わりは無かったのである。
 現在の入院中には持参したDVDもあまり消化できないまま退院が迫ってきたのであるが、今後また入院することは確実なので試しに今の装備でどこまで快適に視聴可能かを試すことも兼ねて表題の2本を見てみた。


 いずれも主題はアイヒマンである。1960年にアルゼンチンでモサドにより拉致されイスラエルへと連行されたあのアイヒマンである。 ハンナ・アーレントアイヒマンの裁判を傍聴し、ことの本質をきわめて客観的に見抜いたといえる。しかしその本質というのはイスラエルユダヤ人の多くにとって容認することのできない内容だったため、たいへんな批判を浴びることになる。


 しかしアイヒマン裁判の翌年、イェール大学のスタンリー・ミルグラムによって心理学的にはハンナ・アーレントの主張が実証されることになった。

世界最大の悪はごく平凡な人間が行う悪です
そんな人には動機もなく
信念も邪心も悪魔的な意図もない
人間であることを拒絶した者なのです
そしてこの現象を私は”悪の凡庸さ”と名づけました


映画 「ハンナ・アーレント」より


 「スペシャリスト/自覚なき殺戮者」はアイヒマン裁判の実写映像を編集して作成されている。途中で余計な音声・映像の編集はあるものの、おおむね客観的であるといえる。「ハンナ・アーレント」とあわせて見ることをおすすめしたい。


ミルグラム実験 wikipedia
  https://goo.gl/v4jRus

 ミルグラムの「服従の心理」を読んだのは25年ほど前になる。この実験について知っているのと知らないのとでは、社会の様々な事象について判断を下すにあたって正反対の結論に至ることになると思われる。


今日の動画
  Evanescence - Good Enough
   http://www.youtube.com/watch?v=Kw2Ic_2XdVQ