綿向山滑落事故現場の確認


 約二週間ぶりに綿向山・竜王山へ行き、2/21の滑落事故現場を見てきました。
標高1000m以上の雪量はまだ多かったですが、それ以下の部分では場所によって地面が露出してきています。とくに滑落現場付近は雪の少ない部分ではカチカチに凍っているところもあるためかなりシビアなコンディションでした。


 さて、その滑落現場ですが上の写真で説明します。斜面を下ったところから後ろを振り返って撮影。上が綿向山方面となります。一見ゆるやかに見えますが、見上げるように撮影しているためそう見えるのであって、実際はもっと急です。
 本来のルートは写真左側のトラロープが張られているところ。トラロープがあるといっても、実際には木をつかみつつ降りることになります。今日のコンディションでは後ろ向きになり、ピッケルのピックを突き刺し、もう一方の手で木をしっかりつかみながらでないと降りられませんでした。
 2/21に滑落された方は写真中央の雪が残った部分をこっちへ向かってすべり落ちた模様(そのときはもっと雪は多かったと思われる)。


 斜面を滑りながら落ちていき、上記写真にある右手手前の木に腰を強打したのち写真中央の斜面をさらに滑り落ちて行ったのではないかと推測されます。もし頭を打つなどしていたらさらに深刻な事態になっていた可能性もあります。




 トラロープが張られている位置にはちゃんと意味があります。それは上の写真にある4メートル以上の崖(ほぼ垂直)を避けているのです。トラロープ側へ移動しないままこの崖の上で滑落し、木などでうまく止まらなかった場合、4メートルをダイレクトに落下することになります。足から落ちれば足の骨折、頭から落ちれば命もあぶないかもしれません。これまでこの縦走ルートを30回以上(ほとんどが冬期)歩いてきてこの崖の危険性に今日初めて気づきました。


 ワンダーフォーゲル 2014年12月号に綿向山・竜王山縦走ルートが紹介されてから、このルートを歩く人が増えました。しかし、今回の滑落現場付近はこのルート全体から見て難易度が高く、かつ危険な箇所となっています。雪の状況や気候によってその難易度が異常に高くなる場合がありますのでくれぐれも安易に考えず、十分な装備と技術をもった上で取り組みたいところです。



今日の動画
  Слот - Ля, ля
   https://www.youtube.com/watch?v=BWPZjlB81oA