本の値段付けミスにより、1万円以上の損失

 アマゾンマーケットプレイスに出品した商品が売れると、アマゾンから自動でメールが送信されてきます。
いつものように確認したところ、たしか高値で売れるはずの本が、異常に低い価格で売れたことになっていました。
「やってもたぁ!」
そう、出品のときに値段の入力で1桁少なく設定してしまったのです。
 取引を無かったことにすることを一瞬考えましたが、自分を強く叱りとばしてそのままの値段で取引を完了させることにしたのです。


■ミスの原因
 今回は1万円ちょっとの損失で済みましたが、もっと高額の本で同じミスを犯した場合、損失も1桁上になってきます。
そこで今回のミスを分析し、再発防止策を考えました。


<原因>
 2,30冊を単位として価格をチェックし、高額な書籍があった場合はそのまま出品するようにしていたのですが、まずはこれが問題だったようです。出品処理をしたあとは、続いてほかの本の価格チェックを続行するため、けっこうあせりながらの作業となっていました。
そして、その日の整理が1段落ついても、出品した本の価格を再チェックすることなくそのままにしてあったため、自分ではミスにまったく気づかなかったわけです。

 あと、お金がからむような作業をするにあたって、作業手順を明確にせず、成り行きで行っていたことも原因だったと思われます。
ミスが発生する一般的な原因のひとつに「手順の不遵守」がありますが、今回は「手順」そのものがなかったということになります。


■スーパーでのてんぷら購入SOP
 過去に私が体験した出来事で、今回と同じように「手順」が徹底していなかった例をあげます。
数年前に、近所のスーパーで惣菜のてんぷらを買ったときのことです。まずは天ぷら用に置いてある透明のポリエチレンパックを一つ取りました。それを左手に持ち、今度は輪ゴムを2本(1本だと切れたときに困るため)手に取り、左手小指にその輪ゴムを引っかけます。
それから右手でトングを持ってパックに入れるわけですが、そのときは半額セールとなっていたため、かき揚げ2つに続いて、なすのてんぷらを取ろうか取るまいかと悩みました。結局なすも買うことにしたのですが、パックに入れようとしたところ先のかき揚げが下に落ちそうな状態になりました。
「な、なんやこのパックは!」
と、ちょっといらついたのですが、よく見るとパックの「ふた」のほうにかき揚げを乗せていたのです。

自分としては、さきの輪ゴムをあらかじめ小指にかけておくというあたりは、かなりの自信をもって「きちんと段取りができているぞ」と思っていたのですが、ふたのほうにてんぷらを乗せてしまっている時点でバカ丸出しであります。
要はパックを最初に持つときに、容器本体側とふたを識別するシーケンスが抜け落ちていたというわけです。

それ以降は、惣菜を透明パックに入れる場合のSOP(標準作業手順 Standard Operating Procedure )に、本体側とふたを識別する手順を組み込んだため、同じ失敗はしなくなりました。


■出品のSOP
 前振りが長すぎましたが、アマゾンに出品する場合(個人レベル)のSOPをまとめました。

 1.本のチェック段階で出品できるものがあった場合、他の本と明確に区別された区画へいったん収納する
 2.チェックが終了した時点で出品用の本を再度チェック
 3.価格入力の段階では指呼確認を行い実行ボタンを押す
 4.出品メールで値段を再度確認
 5.出品作業が一通り終わったら、出品リストで全商品を再チェック


これを愚直に実行することで、ミスは防止可能と思われます。あとは他の出品者の価格と自分の価格に大きな違いがある場合に自動で警告が出るシステムがあれば完璧ですが、私のスキルでは無理です。仮にそのシステムが完成すれば、それに頼り切ってしまう可能性があるため、いずれにしてもやらないほうがいいかもしれません。


「特殊部隊の存在価値は、完璧さと精確さにある。SASのほんとうの標語は”危険に敢然と挑む者が勝つ(Who Dares Wins)”ではなく、”チェックとテスト、チェックとテスト”なのだ。」

ブラボー・ツー・ゼロ  アンディ・マクナブ



「他の者が行うことについては満足もありうる。しかし、自らが行うことについては責任があるだけである。自らが行うことについては、つねに不満がなければならず、つねによりよく行おうとする欲求がなければならない。」

現代の経営  ピーターF.ドラッカー