比良(中途半端)縦走 11/3(金)〜4(土)

 10月と全く同じルートをたどる、(中途半端)縦走に行ってきました。
登山をする人には大きく2つのタイプがあります。ひとつはピークハンターに代表される、次から次へといろんな山の山頂を目指して転戦をするタイプ。中高年に人気の百名山全制覇を目指すのはこのタイプの典型と言えるでしょう。
もうひとつのタイプは、毎回決まった山へ出かけるタイプ。山を歩くことそのものが目的であり、山頂にもこだわりません。
私は典型的な後者のタイプですので、今回の比良でも前回と全く同じルートを取りました。

 今回はJRの遅れも発生することなく、06:24にJR和邇駅に到着。ここから権現山へ登る登山口までは、かなりの距離を歩かなければなりません。
07:15 ようやく湖西道路手前の分岐に到着。ここで右へと進みます。
08:18 登山口に到着。登山カード記入。
09:17 ズコノバン到着。前回はここで雨が降ってきたため2時間近く足止めを食いましたが、今回は快晴なので立ったまま行動食と水分を補給してそのまま通過。
ここから権現山まではあと一息といったところですが、山頂まであと数十メートルのところから、強烈な登りになります。岩や木の根など、積極的に手でつかんで登るほうが安全です。ストックは収納しておく方がいいと思います。
09:57 権現山山頂。小休止。今回は昼食を兼ねた行動食として、「薄皮クリームパン」「薄皮ピーナッツクリームパン」を持参。クリームが多いため食べやすく、カロリーも高いため行動食には最適です。
気温は18.5℃あり、けっこう汗をかきました。
11:40 蓬莱山到着。今日は天気がいいので、ゴンドラで上がってきた人がけっこう多いです。小女郎池から蓬莱山までの間も、ハイカーの方々と結構すれ違いました。すれ違う人全員にあいさつすることにしているのですが、20人の団体さんの場合は20回あいさつ(しかも速射)しなければならず、おもわず苦笑が出てしまいます(相手からは苦笑ではなく、ふつうに笑顔であいさつしてるおっさんに見えるでしょうが・・・)
ここはスキー場になっているので、シカの糞を避けて座って休憩。座っての休憩は今日はこれが最初で最後です。
12:22 出発。
13:10 キャンプ場到着。早い、あまりにも早い到着。前回は電車の遅れと雨による計画の遅れにより、ここに到着したのは16時を回ってました。
しかし上には上が、すでに水場の近くにはテントを設営済みの2人組パーティーが。あいさつをしてから少し先にあるトイレへ。水道は生きてますが、電気は来てません(シーズンオフのため)。キーホルダーにつけてある「ARC AAA LEDライト」を口にくわえて用をたします。
水場で水を補給してから、前回テントを張ったのと同じ場所に向かいます。前回は雨が降ったために地面がぬれてましたが、今日は完全に乾いており快適。太陽がよく当たって気持ちがいいので、しばらくテントは張らずにゆっくりすることにしました。
とりあえず近くの木と木の間にツェルト用の細引きを張り、汗でぬれたシャツとタオルを干します。その後、エアー式の枕をふくらまして、木の台の上で寝っ転がって一休み。私の場合、キャンプそのものをゆっくりと楽しむことも山行の重要な要素のひとつなので、今回くらいの余裕があるほうが性に合います。
このキャンプ場は、auの携帯がアンテナ3本立ちの状態なので、実家に連絡を入れておきます。明日の下山では、ここからクロトノハゲへ向かう予定ですが、このルートがかなり危険で、万一滑落すると命が危ういのです。単独行の場合は第三者に行動予定を知らせておくことが命綱になりますので、面倒がらずに連絡できるところで情報を伝えておくべきでしょう。
15時頃にぼちぼちテントを張り始めます。16時くらいからは夕食の準備。アルファ米の白米タイプ(2人分)と、レトルトの牛丼。アルファ米は半分だけを夕食に使い、残りは明日の朝食用にします。
16時頃までは、変な楽器を鳴らして変な歌を歌い、馬鹿笑いをしている若者集団がいたのですが、ようやく消え去ってくれました。スキー場の整備作業も終了し、ようやく季節はずれのキャンプ場らしい静寂が訪れました。
■絶叫マシン
 ようやく静寂が訪れたと思ったのもつかの間、遠くから絶叫と馬鹿笑いが近づいてきました。北の方から縦走してきたと思われる、大学生らしき7,8人のパーティーです。私がテントを張っているところから150mほど離れたところへテントを張ってくれたので安心していたのですが、大きな間違いでした。150mの距離をものともせずに、彼らの絶叫と馬鹿笑いはキャンプ場全域に響き渡り続けたのです。そしてそれは22:30頃まで続きました。
このときほどイヤーウィスパーが無いことを悔やんだことはありません。持ってきていると思いこんでいたのですが、どこにも見あたらなかったのです。
以前からこのような登山者は問題になっていますが、それはあくまで登山関係者内部での問題として捉えられてきたと思います。しかし、彼らの生態を観察した結果、アプローチでの公共交通機関などでも同じ行動をとっているのではないかと確信したのです。そうだとすると、彼らに接した一般社会の方々の登山者に対する印象は、極めて悪いものになると危惧されるのであります。

05:00 起床。思ったほどの冷え込みもなく、シュラフのみで快適に眠ることができました。テントの外を見ると、前夜出ていた明るい月はすでに沈み、西の空にはオリオン座が陣取っていました。かなり空気が澄んでおり、オリオン大星雲もよく見えます。デジカメの星空モードでそれを撮影しようとしますが、なぜかデータがセーブされずに終わってしまいます。何度も撮り直しているうちに、だんだん空が明るくなってきたので撮影は断念。朝食の準備に取りかかります。
朝食はまたもやレトルトの牛丼。豚丼も持参してましたが、牛丼の方がカロリーが高いのです。前日のアルファ米はすっかり冷えてますが、暖めたレトルト牛丼をかけるとちょうどいい塩梅です。「冷や飯にかけた前夜の残りのカレーが一番うまい」の法則を思い出しました。
ラジオで天気予報を聞くと、昼くらいから一時的に天候がくずれ、ところによっては雷雨と言ってます。予定では8時前に出発する予定でしたが、急遽出発を早めることに。その前に食後のコーヒーということで、先日購入したチタン製のマグカップにドリップ式のコーヒーを入れます。このマグカップはいわゆるシングルタイプ。直接ストーブにかけて暖めることができます。断熱性のあるダブルタイプのほうが冷めにくいですが、火にかけることができません。冬場はどうやっても冷めてしまうのなら、逆に直接暖めることのできるシングルのほうがいいだろうということで選択しました。
07:23 キャンプ場出発。
ここからクロトノハゲまでは、左側がかなり急ながけになっています。ところどころに木の橋がかけてあったり、数メートルに渡ってトラロープが張ってあります。バランスを崩したら一巻の終わりなので、カラビナとスリングを使って万一に備えます。
20分でクロトノハゲに到着。ここからは危ないところはありませんが、油断せずに慎重に下ります。ストックは2本を持参していましたが、今回の山行では一度も使いませんでした。
08:57 登山口到着。実家に下山したことを連絡。
■記録媒体
 今回も前回と同じく、防水用紙を採用した測量野帳「LEVEL BOOK」を使用。山行記録をとる場合、各山域ごとに一冊を使用するのがいいと思います。最初のページに装備のチェックリストを書き込み、そのあとにその山域へのアプローチに使う交通機関の時刻表や運賃、注意事項などをまとめて書き込んでおきます。あとは時系列に山行記録をとっていきます。山域ごとにしておけば、以前の記録を調べることも楽で、無駄がありません。「LEVEL BOOK」は全部で60ページですが10回分は1冊で記録できるでしょう。裏表紙の裏側にはポケットがついているので、「ラジオ用小型天気図帳」を横向きに折って挟んでおくことができます。情報を集約しておくにはちょうどいいと思います。
山行記録以外の項目を記録する媒体として、愛用しているモールスキンポケット(スクエア)も持参。多くの汗をかくような登山において、モールスキンの表紙はその真価を遺憾なく発揮してくれます。キャンプ場でいろいろ考えたことや、行き帰りの電車内で思ったことなど、登山に関係ないことはモールスキンにどんどん書いていきます。ただし、単なるTODO項目などはちょっと困ります。palmもシステムダイアリーも持ってきていないので、結局auのW32Sのスケジュール機能に入力(普段は全然使ってない) 装備の軽量化は大事ですが、スケジュールが確認できないのはつらいです。これについては今後考える必要があるようです。

■今回の写真

蓬莱山にて。今日はけっこう霞がかっておて、地表の風景がほとんど見えませんでしたが、空はこんな感じでした。

完膚無きまでにぺちゃんこになったあんパン(こしあん)。行動食として持参してましたが、すっかりその存在を忘れており、テント内ではザックの中に一人残されたまま、足の下敷きになっていたのです。下山時に行動食としてその命を全うしてくれました。

下山途中での1枚。前回は琵琶湖がきれいに見えたのですが、今日は雲海になっていました。