日経ビジネス 特集:流通敗群 勝者ヨドバシ、ルミネの解答 2005/4/11号

 先日、ヨドバシカメラ梅田店まで、ジョギング用の「心拍計」を買いに行きました。
もともとは通信販売で買おうと考えて安い店を探していたのですが、値段的にはどこも似たり寄ったり。
それなら送料のかからない店舗で買おうと思い、ヨドバシドットコムにアクセス。目的の商品を検索したところ「お取寄せ」となっています。画面内にある「店舗で商品を見て買いたいならこちら」のボタンを押すと、「在庫わずか」となっていますが梅田店にモノはある模様。
翌日、仕事の帰りに梅田店に立ち寄り、ショーウィンドーに目当ての心拍計が展示されているのを確認。店員に在庫があるか聞きました。答えは「在庫なし」
そうそう売れるような商品ではないと思ったので、ヨドバシドットコムの情報が古かった可能性があると考え、その足で梅田店1Fにあるブロードバンドデモ用のPCで調べると、梅田店にはその商品の在庫は無いことになってました。
 2日後の休日、ヨドバシドットコムでその心拍計を調べると、梅田店が「在庫わずか」の表示になっていました。「ほんとうにあるのかなぁ」と思いつつ、もう一度梅田店に行ってみたところ、・・・ありました。苦労しましたが希望どおりの商品を手に入れることができたのです。


■徹底した顧客志向
 さて、ここで日経ビジネスの内容なのですが、前記の私の体験に関連する内容を箇条書きにすると


・ヨドバシは品切れを何より嫌う
・システム化はセブン・イレブン・ジャパンよりも進んでいる
 (今、この瞬間に在庫がどれだけあるかがリアルタイムにわかる)
・メーカーが店舗に直接納品
・全品、翌日納品を徹底


と、なります。これらはいずれも、「顧客に満足を与える」ためのものです。
「業務を効率化」した結果が「顧客満足」なのではなく、「顧客満足」のために「業務を効率化」するのです。
もし梅田店への心拍計の納品が1日遅れていたり、納品されていてもヨドバシドットコムの情報更新が同じように遅れていれば、今回私は別の小売店から購入していたでしょう。
たとえ単価の安い消耗品であれ、一度でも「ここには置いてないなあ」という印象を顧客与えると次からは来なくなります。


■問題点も
ここでいくつか問題点を書きますと、まず日経ビジネスの記事では批評されていない「頻繁なレイアウト変更」
レイアウト変更によって「店の鮮度を保つ」と書かれています。しかしこの「鮮度」の意味が私にはよくわかりません。
私の経験を言いますと、レイアウト変更のたびに「あれえ、あれは確かこのへんにあったはずなのに・・・」と何度店内をぐるぐる歩き回ったかわかりません。この「あれえ」感は、頻繁に来店している顧客ほど大きくなると思います。
一方、初めて来た顧客にとってはいつも「鮮度」抜群でしょう。
顧客だけでなく、店員に対する負担(実際の変更作業や顧客への案内時の混乱)も大きいと思います。
ただし、最近はレイアウト変更の頻度は少なくなってきたような気もしますが・・・


あともう一つは、ヨドバシドットコムで付いたポイントが、ヨドバシドットコムで使えないこと。ポイントを使うには「リアル」店舗まで行かなければなりません。これではヨドバシが近くに無い顧客をみすみす逃している状況だと思います。早急に「リアル」も「バーチャル」も双方向でポイントが使えるように改善して欲しいところです。