阪神淡路大震災から10年

地震当日
 地震発生の日、私は仕事が休みだったのでまだ起床していませんでした。ただ、最初の小さな縦揺れで目が覚め、即座に「今回はどのくらい揺れるだろう」と考えられるくらい眠りは浅かったです。
 ベッドの上で仰向けに寝たまま揺れ具合を計っていたのですが、予想を大きく上回る大きな横揺れへと移行していきました。
「やばい!」とばかりに、そのまま折りたたみベッドの上に立ち上がり、すぐ横に置いてあるスチール製本棚(高さ180cm)を両手で押さえたのです。部屋の壁においているスチール製の本棚7本は、4本と3本が向かい合わせに置いてあります。横揺れの方向が本棚と水平方向であったため、本棚そのものが倒れることはありませんでした。


ベッドの上で本棚を手で押さえながら揺れに耐えていると、冷蔵庫の上からオーブントースターが落下しました。側面のカバーが「バコーン」とはずれるのが見えたと同時に停電。「あっ、停電や」と独り言を言いながら、なお続く揺れに、本棚とともに耐えていたのです。
ようやく揺れがおさまり、真っ暗な中でミニマグライトを机の引き出しから取り出しました。しかし点灯しません。実は数日前に、テレビのリモコンが電池切れになり、電池をリモコンの方へ入れ替えてそのままになっていたのです。テレビのリモコンを手探りで探し、電池を入れ替えているところで電話が鳴りました。実家からです。
無事であることを母親に告げ、ようやくミニマグライトが点灯。今度は「マグライト」を探し当て、ついでラジオをつけて情報収集。まだ詳細の情報はありません。
とりあえずマンションの駐車場へ行き、オートバイが転倒していないのを確認。そのまま自転車で近所の様子を見て回りました。1軒、屋外の配水管から水が噴き出している家がありましたが、火がでているところは無い様子。通りに出ると、信号が停電のため消えていました。近くのコンビニも停電のため真っ暗。そのまま自宅マンションへと戻り余震に備えていると、ようやく7時前くらいに停電が復旧。同時に、止まっていた水もでるようになりました。


テレビで映し出された映像を見て驚愕。神戸方面の、横倒しになった高速道路。ようやく今回の地震がどういうものであったかを認識しはじめました。


 状況がひどそうなので、職場に電話。特に大きな被害はなかったとのことで、出勤してくる必要は無いと言われました。
 地震の発生後、いつもと一番様子が違うのは、JRの電車の音がまったくしないことでした。異様に静まりかえったなかで、とりあえずはテレビにて情報収集を続けます。各地の震度や被害状況がわかるにつれ、「何かしなければ」と思いましたが、神戸方面の映像を見ると、どうやって現地に行けばいいか見当がつきませんでした。当時乗っていたオートバイは、カワサキのオンロードタイプで、運転技術も未熟なため自走するのは無理だと考えました。持っている自転車もシティサイクルであり、それでの移動も難しいと考え、「現地へ行って何か手伝う」ことはあきらめてしまいました(この時の思いが、その後のMTB購入や、ヤマハ「セロー」へのオートバイ買い換えに繋がります)
 マンションでは、停電と水道は1時間あまりで復旧したのですが、ガスの方は大事をとって点検をするため、夕方以降の復旧になったと記憶しています。ただし、カセットコンロを普段使用していたため、食事の用意については全く影響はありませんでした。


 そうこうするうちに午後になり、近所のダイエーに行ってみました。その日は定休日だったのですが、急遽営業をすることにした模様。食料品売り場に行くと、フロアーのあちこちに買い物カゴがおいてあり、商品が入れられていました。地震の揺れで落下したもののようです。
食料の備蓄は不足していなかったので、ミネラルウォーター(2リットル)を2本だけ買って帰りました。


■同僚が生き埋めに
18時頃に自転車で30分くらいの距離にある職場まで行きました。数日前に職場に配属jされた西宮在住の同僚(といってもかなり年齢が上)が、地震発生と同時にアパートが全壊して生き埋めになっていたことを聞きました。昼過ぎくらいに近所の若い衆に救助されたとのこと。その方と奥さんは無事だったのですが、同じアパートで亡くなった方もおられたようでした。


■実行することが大切
この地震はあくまで直下型地震であり、被害が限定的でした。そのため3日くらいたてばある程度の支援物資は近隣の地域から供給されていました。
しかし、近い将来に発生が懸念される「東海・東南海・南海地震」が数日以内に続けて起きた場合、援助の不足と遅れはもっとひどいものになるでしょう。
ひとりひとりが地震に対する備えを、「実行」することこそ大切なことです。


「悲観的に準備し、楽観的に実施せよ」


■参考URL
http://d.hatena.ne.jp/SASGSG9/20040921


http://d.hatena.ne.jp/SASGSG9/20041102


http://d.hatena.ne.jp/SASGSG9/20041227