プリウスのシフトレバー


 先日のことだが久しぶりに親父どののプリウスを動かした。玄関先から車庫入れしただけなので距離にしてわずか十数メートルであった。ここ数年プリウスは運転していなかったので、あらかじめ操作方法をネットで調べ、運転席に座ってから何度も操作方法をシミュレーションしてから実際に動かした。そのときに思ったのがシフトパターンの独自性である。


■飛行機のランディングギア
 プリウスのリバースギア(バックギア)は、シフトレバーを右へ動かしてから上方向へと上げるようになっている。後ろへ下がりたいにもかかわらず、上へ上げるのである。もちろんトラックのマニュアルシフトでは左上に上げるパターンなのでプリウスだけが特別異質というわけではない。しかしオートマチックの乗用車としては右上へ動かすパターンはやはり異質である。そのため、普段からマニュアルの乗用車に乗っているひとは意識して操作しないと間違える可能性がある。


 飛行機が着陸するときに出すランディングギア(地上を走行するためのタイヤのついた脚)は、操作レバーにミス防止のための工夫がされている。脚を出すときは操作レバーを下げ、脚を機体の中へ格納する場合にはレバーを上げるのである。また、操作レバーの先端に擬似的なタイヤを取り付けて、ひと目でランディングギアの操作レバーであることが分かるようになっている。


 飛行機と比べるとスイッチやレバー類が格段に少ない自動車であるからこそ、操作体系は単純な方向で統一すべきであろう。一メーカーが勝手に独自なデザインに変えることは言語道断である。
 操作ミスによる事故が起きた場合には、飛行機などと同じように事故検証とテスト、再発予防策を徹底していくことが必要だと思われる。


今日の動画
  Cockpit Boeing 787 landing on Polderbaan
   https://www.youtube.com/watch?v=ZHYYF0yBCvA

 動画の00:39でランディングギアを操作している。ランディングチェックリストをもとにチェックしながらの着陸である。もしチェックリストがなく、警報も鳴らない状態でパイロットが記憶をもとに操作して着陸しようとすると、半分近くのパイロットがランディングギアを出さないまま胴体着陸してしまうと言われている。