鬼怒川決壊について


 決壊前に鬼怒川周辺の避難状況がどうであったかは不明であるが、危険水位に対する認識を改める必要があるのではないかと思う。一般的には堤防よりも水位が高くなった時点で決壊すると思いがちであるが、堤防より低い水位でも堤防は決壊する可能性がある。何層かに分けて高くしていった堤防は、もっとも弱い層に穴が開いて決壊する場合があるのだ(浸透流による決壊)。


 本日19時のNHKニュースで早稲田大学関根正人教授のインタビューが流れていた。教授の見解は、最も低い堤防部分から水があふれ出して決壊部分が広がったというものであった。しかし、浸透流による可能性もあるのではないかと思う。そのあたりはきちんと検証してはっきりさせて欲しいところである。今後同じような大雨があった場合、「まだ堤防上部に水面が来ていないから大丈夫」という誤った判断を下し、浸透流による決壊が発生して逃げ遅れるケースが起きるかもしれないからである。


●参照日記
  http://d.hatena.ne.jp/SASGSG9/20110902

 上記日記に浸透流のことをメモっている。今回のような堤防決壊が地下鉄や地下街のある東京都で発生した場合、たいへん大きな被害をもたらすことになると予想される。複数の要因が重なることで、いつどこで発生するかわからないのであるから事前に十分な対策をしておく必要があるだろう。


●参照URL
  NHKスペシャル 首都水没
   https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2010022766SA000/



今日の動画
  Pet Shop Boys - A Man Could Get Arrested
   https://www.youtube.com/watch?v=BXwPxpdaC9c