トンネル内でヘッドライトを点けない車


 法律上は「前方50メートルまで明瞭に見える程度に照明が行われているトンネル(一般道路の場合)」ではヘッドライトを点ける義務はありません。しかしこの法律の定義はきわめて曖昧であり、いろいろな条件を考え尽くしていないといえます。


 キャプチャ写真は先日自動車で走っていたときのもの。方角は進行方向が西で後方が東。天候は曇りの早朝です。
 トンネルの数十メートル手前でカラスが2羽路上から右手へと飛び立つのを確認(そのうち1羽が右端に写っている)。左車線左よりの路上に小動物の死体が見えます。もう少し中央よりに死体がある場合はそれをまたぐように通過するところですが、今回は少し右側に寄って死体の右を通過しました。
 その後トンネルに入っていったのですが、反対車線からヘッドライトを点けていない軽トラックがやってきました。そのとき思ったのが、もし動物の死体を通過するタイミングと軽トラックとのすれ違いが同時だったらどうなっていたか。死体を通過するときはセンターラインをオーバーしないように気をつけてはいましたが、車体が大きい車であれば反対車線にはみ出す可能性もあったでしょう。前方から車が来ていないことは確認できましたが、トンネル入り口から奥のあたりまで視認しやすい天候・状況だったから可能だったともいえます。


 もしも天候が晴れだった場合、反対車線側から見ると直射日光が直接目に入ることになります。仮にこの小動物が複数で移動しているときに車にはねられていたとすると、場合によってはトンネル内の反対車線にも死体があった可能性もあります。それを避けようとした対向車がこちらの車線にはみ出してきて正面衝突という事態も想定されるのです。
 いくらトンネル内に照明が設置されていても、太陽光の明るさとはあまりにも差がありすぎて、トンネルに入るとき・出るときには一時的に何も見えなくなる場合があります。おたがいに相手の車を認識するためにもトンネルの手前からヘッドライトを点灯することを習慣にするべきでしょう。


今日の動画
  Michel Petrucciani - Take the A Train
   https://www.youtube.com/watch?v=elq5ra9IOBw