吉川英治著「宮本武蔵」

 この作品をはじめて読んだのは、私が中学二年生のときでした。当時は全6巻で、厚さがばらばらでありました。現在は厚さがほぼ均等で、全8巻となっています。電子書籍も全8巻の構成となっています。


 この作品はこれまでに何度も読み返してきましたが、読むときにどのような環境に身を置いているかなどによって、同じ本でもその都度心に響く部分が違ってきます。
初めて読んだ時には、ただただ兵法者としての武蔵にのみ目がいっており、それ以外の登場人物の描写などは余計なものに思えていました。
ところが現在読み返してみると、武蔵に関する描写にも感銘を受けますが、又八のダメ男ぶりや、お杉おばばの又八への盲目的な愛情、身を落とした青木丹左の苦悩など、若い頃にはほとんど何も感じなかった部分に大きく感動したりするわけです。
 現在読んでいる媒体は電子書籍で、Treo 750vにインストールしている「ブンコビューワ」で読んでいます。とにかく場所を選ばず、しかも全8巻を常時持ち歩けるのでたいへん便利です。しおり機能を使えば、感銘を受けた箇所(武蔵が試合にわざと遅刻する理由など)を記録しておき、あとで参照するのも簡単です。ただし、複数の媒体にバックアップをとるなど、データの紛失に対する備えは万全にしておくようにしましょう。

●参照URL
  吉川英治 宮本武蔵(一)