自動繰り出しシャープペンシル「AUTO SHARP」

 シャープペンシルには致命的な欠点があります。それは、一定量の筆記を行うと「ノック」が必要になるということです。ノリノリで筆記しているときに突如強制される「ノック」という行為。ユーザーの負担を低減しようと、いろいろなメーカーがいろんなノックの機構を開発してきました。いくつか例を挙げると、
 ・フレフレ(2020)機構のようにシャープペンシルを振ることで芯を繰り出すタイプ
 ・軸の中央付近にボタンを設けて、ほぼ筆記ポジションのままで芯を繰り出すタイプ
 ・軸が中央付近でくの字に折れ曲がり芯を繰り出すタイプ

 しかし、上記はいずれも「ノック」という行為をユーザーにさせている点において、真の解決にはなっていません。真の解決とは「ユーザーにノックを意識させない」ことに他なりません。仮にユーザーが念じるだけで芯が繰り出される製品があったとしても、ユーザーに意識させている点で商品としてはダメなのです。



■オート株式会社の「AUTO SHARP
 http://www.ohto.co.jp/html/new_products/ap-105_205.html

 私が知る限り、現存するシャープペンシルのなかで「ノックを意識させない」のはこの製品のみです。普通のシャープペンシルは、ペンの先端から一定の長さで芯が見えている必要があります。芯が見えなくなったときはノックが必要になります。
一方、「AUTO SHARP」は芯が見えている必要はありません。最初の段階では普通のシャープペンシルのように芯が見える状態までノックを繰り返します。芯がわずかでも見える状態になったらそこでノックをやめます。あとは普通に筆記を行います。この後はノックのことはまったく考える必要はありません。どんどん書いていくのみです。
芯が短くなっていき、交換が必要になったときは、それまで常にでっぱっていたペンの先端部分が引っ込むようになります。その状態はすぐに認識できますので、そうなったら普通のシャープペンシルのようにノックをして、指でつまめるところまで芯を繰り出します。その後ノック保持の状態で芯を先端から引き抜き、新しい芯が見えるまでノックをします。
このように、最初に行う芯のセッティングと、最後に行う芯の除去。ノックをするのはこの時だけですので、その間はまったくノックを意識することはありません。
 このシャープペンシルに慣れてしまうと、他の製品は使えない体になりますので、私は会社に常時4本を置いています。自宅では会社ほどシャープペンシルの使用頻度は高くないですが、3本を常備しています。
耐久性については、ポケットなどに差すときに使うクリップ部分が折れることがありますが、筆記機構に関しては特に問題はありません。
値段もそれほど高くないので、できれば買い置きしておくことをおすすめします。