メモについて その1

先日のpalm Tungsten|T3 ハードリセット事件のあと、改めて情報管理について考えてみました。


■データの蓄積
1990年から1996年にかけて、私のスケジュール管理・情報管理のメインウェポンは「システムダイアリー(SD)」でした。
スケジュール管理・買う本リスト・読書記録・メモ・・・
SDを使っていた数年間の記録は、すべて手元に残っています。紙の記録というのは、それを誤って捨てたり、焼失したりしない限り、消えて無くなることはありませんし、読めなくなってしまうこともほとんどありません。


その一方で、電子的な記録というのは、機器の不具合であっという間に消えてしまう危険があります。それに対する対策としてはバックアップを取っておけばいいのですが、さらなる問題があります。そのデータの記録形式が、メーカーあるいはその機種独自のものだった場合、生産打ち切りや企業の消滅によって、蓄積していたデータを読み出すことさえできなくなる危険があるのです。
 例えば、HP200LX。1996年から2000年の10月にパームを購入するまで、スケジュール管理はすべてこれでやっていましたが、その後生産が打ち切りになり、手に入るのは中古のみという状況です。この端末のスケジュール管理のファイルは独自のものであり、20年後には読み出すことも難しくなっているでしょう。パームのデータも独自の形式であり、同じような事態にならないとは限りません。


現在の生産性を犠牲にしてまで、紙に戻れと言うつもりはもちろんありませんが、数十年後のことを考えた場合、なんとも危ういことをしているなあ、と思ってしまうのです。


■メモの問題
スケジュール管理であれば、紙の手帳とPDAにそんなに大きな差はありません。スケジュールの修正がしやすいとか、繰り返し予定の入力が便利とか、検索がしやすいとか・・。それらはいずれも根本的な差というわけではありません。
しかし「メモを取る」という場合は、自由度の高さという点から、紙の手帳の方が上と考えます。
もちろんパームにも「手書きメモ」はついています。しかし、図解やスケッチを入れたメモを取る場合は、紙の方がずっと書きやすいです。
紙にメモを書いた場合、あとで気づいたことなどをどんどん書き加えていくことで、1枚のメモの質を上げていくことができます。その時には、いろいろな図解なども利用して書くため、見た目にもわかりやすくなります。
パームの手書きメモで書いたものは、記憶容量の問題からテキストデータへと再入力することにしているのですが、そうなると今度は図解することが不可能になります。
これらの問題が解決し、さらに独自形式のデータに関する問題も同時に解決されなければ、安心してデータを蓄積していくことができません。


今後、この問題を解決する方法を追って考えていきたいと思います。