「ワルツ・フォー・デビー」 ビル・エバンス

同じジャズファンでも、人によってそれぞれ好きなジャンルというのがあります。自分のことを言えば、1940年代から1960年代前半まで、ビ・バップとハード・バップがそのジャンルにあたります。チャーリー・パーカーを筆頭に、好きな演奏家もほとんど黒人なのですが、例外として一人だけ白人がいます。ビル・エバンスです。
まだあまりジャズを分かっていないころ、「ジャズを放つ」というジャズ批評集みたいな本に書かれたエバンスの記事を読んで、最初に買ったエバンスのCDが「ワルツ・フォー・デビー」でした。ピアノ・ベース・ドラムのトリオ演奏というのも聴いたことがなかったので、やはり聴き始めはよく分かりません。しばらくほっちらかしていたのですが、チャーリー・パーカーのdial/savoy全テイク収録CDを1ヶ月聞き続けて、アドリブソロが分かってから聞き直しました。そして、そのすごさに驚愕したのでした。
この演奏はヴィレッジ・ヴァンガードという有名なジャズクラブでのライブを録音したものなのですが、なんといってもそこに来ている客がすごいのです。「あんたら聴く気あんの?」って言いたいくらい演奏を聴いてないです。「エバンスはカクテルピアニストじゃねーぞ!!」と言いたくなりますが、演奏中に絶妙な間合いで馬鹿笑いを入れてくるおっさんには通用しないでしょうけど・・。しかしやはりつっこみを入れたい「おまえはガレスピーかっ!!」と(←わかる人にはよくわかると思います)