アルカトラズからの脱出(1979年 米)

アルカトラズからの脱出

発売日 2004/04/23
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永遠に浸っていたい映画的時間

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ドン・シーゲル 監督
クリント・イーストウッド 主演
実話に基づいています。脱獄・脱走ものを見ていつも思うのは、これだけ綿密な計画を立て、かつ実行させることのできる人間は、犯罪以外の道を進んでいれば必ずやその道の成功者になっていただろうということです。
■支配的5%
リーダーシップについても考えさせられる部分があります。アルカトラズ脱獄計画には4人が参加したのですが、イーストウッドが演ずるフランク・モーリスがリーダーとなって計画を進めていきます。人間というのは、割合として上位5%がリーダーシップをとり、残り95%がそれに従うという理論があり、リーダーを持たない人の集まりは、単なる烏合の衆となります。朝鮮戦争当時の中国軍は、この理論を経験論的に知っており、アメリカ軍の捕虜の中から「リーダー」に該当する者だけを隔離しました。リーダーから隔離された残り95%は、脱獄を企てることもなく、中国側の「強制的説得」により、次々に洗脳されていったのです。
■部下の信頼
いくら強力なリーダーシップがあったとしても、モーリス一人だけではこの脱獄は成功しなかったでしょう。優秀なリーダーがいても、それを支える協力者がいなければ、ただの独り相撲に終わってしまったに違いありません。このモーリスに対峙するする存在として刑務所長がいますが、あまりに独善的なやりかたに部下からも信頼されていないところが示唆されており、その対比が面白いです。
刑務所内の話としては、数々の人間ドラマを織り込んでおり、名作と言っていいものだと思います。